バライードスでデニス・スアレスの「プレセンタシオン」を実施
スペイン現地時間7月4日、セルタ・デ・ビーゴはホームスタジアムであるえすたでぃお・ABANCAバライードスにおいて先日獲得を発表したばかりのMFデニス・スアレスをファンにお披露目しました。
スペインのクラブでは新規加入選手をホームスタジアムでファンにお披露目し紹介するイベントが恒例で、このイベントは「プレセンタシオン」と呼ばれています。
かつては話題の大物選手を獲得した場合のみに行われることが多かったこのプレセンタシオンですが、ここ数年はどこのクラブも新加入選手のプレセンタシオンをもれなく行うようになっており、選手とファン双方にとって良い機会になっていると言えるでしょう。
7月4日に行われたデニス・スアレスのプレセンタシオンでは本人の他にセルタの副会長であるペドロ・ポサーダ、スポーツディレクターであるフェリペ・ミニャンブレスが同席。
ミニャンプレスはプレセンタシオンに際して、「彼を迎えることができて我々は非常に誇らしく嬉しい気持ちです。彼はスペインのみならず国外でも自身の持つサッカー選手としての質の高さを示してきました。今回の移籍はクラブ一丸となって望んだオペレーションだったと断言できます。彼の示してくれる質の高いサッカーを楽しみにしています
とコメントし、デニス・スアレスの獲得がクラブをあげての一大プロジェクトとして進んでいたことを明らかにしています。
デニス・スアレスのコメント
ミニャンブレスの発言に続いてデニス・スアレス本人が発言しており、内容は以下の通りです。
“家に帰る”ということが僕の夢でした。セルタのトップチームに昇格する前に移籍したということが、僕にとってはずっと心のトゲとしてどこかに残っていました。だからこそいつかは僕にとっての始まりの場所でありセルタのファンとなったピッチに戻りたいとずっと望んできました。
今回僕がセルタに戻ってきたのは、チームを助けるためであり本来セルタがいるべき場所にたどり着くためです。つまり、欧州カップ戦の場に戻るという意味です。今回セルタは新シーズンに向けての移籍を積極的に行い、クラブとして非常に重要な動きをしています。
僕自身はスペイン、そして国外でチャンピオンとしてプレーできるチャンスもありましたが、最終的には常に自分が重要な存在だと感じられる“家”に帰るための努力をしてきました。チームメイトとして共にプレーすることになるイアゴ・アスパスは常に他者の模範となるプレーヤーですし、彼らと共にプレーすることで代表に復帰することも視野にいれることができます。
なにより、セルタに帰ることで僕は更に出場機会を得られると核心していますし、世界最高のリーグで出場機会を確保できることほど重要なことはありません。かつて一緒にプレーしたサンティ・ミナもセルタに復帰することになれば最高ですね。
彼はバレンシアでコンスタントに10点以上を挙げてきた素晴らしいプレーヤーです。ここが自分の家だと感じられる選手が多ければ多いほど素晴らしいということは言うまでもありません。
デニス・スアレスのコメントからは、セルタに戻れたことと共に「これでもっとプレーし代表復帰に向けてアピールすることができる」という期待感が溢れています。
Operación Retorno=帰還事業の推進
セルタにとってもデニス・スアレスの持つバスセンスやドリブル突破、ボールコントロール能力とゲームメイクのセンスは今後に向けて大きな力になるものであり、長年欠けていたクオリティを持つ選手をようやく手に入れることができたということを意味します。
累積赤字がほぼ解消され、今後積極的に「攻めの経営」に転じることができようになったセルタは現在「Operación Retorno=帰還事業」と呼ばれるカンテラ出身選手の買い戻しプロジェクトを進めています。
噂されているようにマキシ・ゴメス放出の対価としてサンティ・ミナの復帰が叶えば、トップチーム所属のカンテラ出身選手が更に増えることになるうえ、彼らはチームの主軸を担うことになります。
それこそまさにカルロス・モウリーニョが会長就任依頼ずっと実現しようとしてきた「自前の選手でトップレベルのチームを作る」という目標に近づくものだと言えるでしょう。
バルサやレアル・マドリーのように数十年近くに渡って代表クラスの選手を輩出してきたクラブにはまだまだ遠く及ばないセルタですが、現在進めている経営計画が徐々に実を結びつつある今、次の100年が経過した頃にはもしかしたらセルタも世界に誇れる育成システムを確立できるようになるかもしれません。
そうなってくれることを祈りつつ、まずは新シーズンのセルタがどのような戦いを見せてくれるのかを僕は今から楽しみにしています。