2019年11月28日に行われた、セルタの新練習場「シダーデ・デポルティーバ・アフォウテッサ」の竣工式。
数回に分けて
セルタ・デ・ビーゴのカルロス・モウリーニョ会長
来賓として招待されたガリシア州知事アルベルト・フェイホー
アフォウテッサが建設されたモス市の市長ニディア・アレーバロ
上記3名によるスピーチの内容を紹介してます。
セルタ・デ・ビーゴ会長カルロス・モウリーニョのスピーチ
短い時間ではありますが、まずはこの場にお越しの皆様に対し感謝申し上げます。
本来なら一人一人お名前を挙げてお礼すべき状況ですが、時間の関係もありますので今回はご容赦ください。
ガリシアはスポーツ面では偉大なクラブを抱える歴史ある州です。
また、観光と美しいビーチ、食文化の点でも偉大な歴史を持っています。
さらにビジネスの面でも素晴らしいビジネスモデルを誇る企業を抱えている州でもあります。
しかしガリシアという土地が誇るべきは何を差し置いても「人」です。
勤勉で夢想家たるこの土地の祖は、古の時代に移民の先駆者として名を馳せ世界にガリシアの名を広めることとなりました。
そして現在、新たな世代たる我々の次の世代はその事実を誇らしく思っています。
今回の計画はまさに終わることなき「夢」が結実する形で生まれたものです。
困難な時であっても簡単な解決策に逃げることなく、たゆまぬ研鑽を続けた結果として今この時があります。
最も簡単な解決策は「諦めること」でした。
しかしながら諦めそうになるたびに顔を上げ、今この場にいる我々全ては我々自身を信じ進むことを選んできました。
諦めそうになる時、そこには数々の雑音があったのは確かです。
しかし我々自身の勇気と、このプロジェクトを進めているという誇りがそういった雑音を払いのける手助けをしてくれました。
周囲からの雑音というものは我々を分断しようとします。
雑音の出どころによってはセルタ・デ・ビーゴよりもはるかに上の立場である「市」がこの計画の生みの親であるかのような錯覚を起こさせることすらあります。
数日前、我々は経営計画と海外展開の実績に関して大きな評価を受けることになり、このことはまさに我々自身のプロジェクトと思想が正しく、そして優れており、これらが「セルタファミリー」の団結を強固にしているのだと確信しました。
これらをもとにしモスの市政が下した決断、つまり市として我々セルタ・デ・ビーゴに対して両手を開き、自らの家に受け入れるという決断は、大きな勇気と彼らの情熱によりなされたものだと言えるでしょう。
モス市が下したこの決断は、私にとってはガリシアの名を世界に広めた古の移民たちの偉大さを思い起こさせるものです。
ガリシアの古き移民たち。
つまり「簡単に諦めない人々」。
つまり「安易な称賛と偽りの笑顔に騙されない人々」。
つまり「他者を蹴落とすことなく正しく成長しようとする気概を持つ人々」。
我々セルタ・デ・ビーゴと同じ価値観を、モス市と我々が共有できるという証明であると言えます。
逆説的に言えばこういうことです。
つまり、今申し上げたことと真逆に位置する人々。
「ただ気まぐれな人々」
「我々クラブの成長を妨げようとする人々」
このような人々は、未来永劫、決して、絶対に我々の隣に立つことはないでしょう。
我々には大きな力が共にあります。
肉体的な限界を乗り超え、敗れたチームを立ち上がらせる精神力。旗を持ち、地を揺らす歌を轟かす我々のファン達です。
今日という日を迎えられたのは、ひとえにファンの支えがあったからこそです。
このパンデミックのさなかにクラブを支えてくれているアボナード(年間チケット購入者)の皆さんには、皆さんのチケットは決して無駄にならないということを知って頂きたい。
各ペーニャ代表の方々も同様です。
皆さんには心から謝意を表します。
この大きなプロジェクトが完遂した時、我々は更に花開く成功を目にすることになるはずです。
セルタ・デ・ビーゴは成長を続けます。
クラブ史上2番目に長い9年という時間をプリメーラ・ディビシオンで過ごしています。
ビーゴ中心部に新たなクラブ事務所を構えることができました。
そして新しい練習場はスペインで最も優れた施設となる道を歩み始めています。
この練習場建設の着工は、まさにクラブとして新たなプロジェクトの開始を意味していました。
しかし1年前に申し上げた通り、我々が投じた一石はただ単に「場所を取る」ためのものではありません。
我々の一石は、夢を実現させるために植えられたものであり、近い将来クラブの土台の一部となるものです。
それは未来への希望であり、同時に我々の理想を体現するカンテラに対してファンが抱く理想と可能性を包括しています。
この施設はスポーツの世界に、我々のコミュニティーの一角に、クラブの未来を担う若者たちがサッカーを十分に楽しめる場所を提供します。
そしてこの場所を訪れる全ての人々に対し、モスという町とガリシアという土地の名前を思い起こさせることになるでしょう。
我々は環境へ配慮したという意味ではヨーロッパで随一の施設を作り上げています。
周辺環境や景観に配慮し、可能な限り人工的なものを使わない様式で建設が進められています。我々を手助けしてくれた建築士とそのチームに最大の敬意と感謝を捧げます。
ここでの活動を始めるのはまずトップチーム、そしてカンテラの子供たちです。
クラブの偉大なキャプテンでもあるマノーロ、ミチェル(・サルガード)、ホルヘ(・オテーロ)ともに、今日この日までボルハ(・オウビーニャ)、セルヒオ(・アルバレス)、イアゴ(・アスパス)、デニス(・スアレス)、ルベン(・ブランコ)、サンティ(・ミナ)、ジョニー(・オット)、ダビ(・コスタス)、ブライス(・メンデス)達が後に続いてきました。
現在ではカレイラ、ミゲル(・ロドリゲス)、ガブリ(・ベイガ)、フォンタンやロサーダ達が本格的なデビューの時を待っています。
このプロジェクトは何にもましてクラブの中で優先されてきたものですが、言うまでもなくガリシア州政府シュンタ・デ・ガリシア、そしてモス市役所の協力と助力なくしては成し遂げられなかったでしょう。
セルタ・デ・ビーゴが成し遂げたこの夢のプロジェクトは、民間企業と公的機関が手を取り合って実現した理想的な事例だと言えるでしょう。
モス市役所との正式な文書調印から2年と数ヶ月という記録的な短時間でこれほど壮大な計画が実現するとは誰も想像することはできませんでした。
1年です。
明日、着工の一石が投じられてから明日でちょうど1年を迎えます。
我々と共に仕事をしてくれた行政関係者の方々に心からの感謝と彼ら自身の仕事の完遂に対して祝福の言葉を贈りたいと思います。
我々と共に仕事をしてくれたこと。グループとして仕事をしてくれたこと。問題があった時には共に解決してくれたことに感謝します。
しかし最も重要なことは、彼らが自身の発言に責任を持ち、計画の完遂をもってその発言に意味と名誉が生まれたということです。
モスの行政が成し遂げたことは我々にとってもこれ以上ない喜びであり、セルティスモそのものにとっての喜びです。
この練習場。我々のアイデンティティー、そして特徴を体現する言葉を冠する「シダーデ・デポルティーバ・アフォウテッサ」にいる限り、我々はモス市と共に成し遂げたこの計画のことを覚えていくことになります。
ご列席の皆さん一人一人に重ねて感謝申し上げます。
97年に及ぶ歴史の中で、この練習場が持つ名で施設を呼ぶことは誰一人としてありませんでした。
私は自分自身が、この施設の名を口にする最初の1人になれることを誇りに思います。
今この瞬間から、セルティスタ一人一人が、誇りと共に「アフォウテッサ」の名を口にできること、「セルタ・デ・ビーゴとカンテラの練習場たるアフォウテッサ」と口にできることにこの上ない幸福を感じます。
私に対して大きな夢を描くことを求めてくる人々がいます。
しかし他人を利用することは努力し戦うことではないと断言します。
私。この私は、夢を持ち描き続けることを選びます。
¡¡Hala Celta !!