アウェーのアトレティコ戦は0−0の引き分け
ラ・リーガ・サンタンデール2019−2020シーズン第5節。
アトレティコ・マドリーのホーム、エスタディオ・ワンダ・メトロポリターノで行われた一戦は0−0の引き分けとなり、セルタ・デ・ビーゴは前節グラナダ戦で敗戦した流れをとりあえず断ち切ることに成功しました。
アウェーにめっぽう弱いセルタはもともとアトレティコとのアウェー戦を特に苦手にしており、先日の記事「【セルタ】アトレティコ戦に向けたセルタの動向」でもご紹介した通り、リーグ戦でアトレティコとのアウェー戦で最後に勝利したのは13年前の出来事です。
第5節を迎える時点で勝ち点4だったセルタはこの試合の引き分けで勝ち点5とし、暫定ではありますが順位を14位まで上げています。
ただし、バレンシア、マジョルカ、そしてエスパニョールとヘタフェが明日以降に試合を行うため、それらのチームの勝敗によっては降格圏ギリギリまで順位を下げることになるでしょう。
試合内容としては攻めるアトレティコをセルタが凌ぐという展開が90分に渡って展開されており、0−0で終わったということを考えれば「セルタとしてはよく守った」という印象です。
トルコ代表MFオカイ・ヨクスルのスタメン復帰は予想通りでしたが、ブラジル人MFラフィーニャのスタメンという意外な人選が少し驚きでした。
後半に交代で出場したブライス・メンデスの動きを見ていると今のセルタにはブライス・メンデスのほうが必要なタイプのプレーヤーではないかという気もしましたが、ラフィーニャがチームにフィットしより明確な戦術的役割を持つようになってからでもその判断は遅くないのかもしれません。
いずれにしてもセルタにとって重要だったのは「アウェーのアトレティコ戦に負けなかった」という事実であり、いまだに1勝しかしていないとはいえ敗北数を増やさずに済んだことが一番の収穫だったと言えるのではないかと僕は個人的に思っています。
イアゴ・アスパスの試合後コメント
非常に難しいスタジアムで勝ち点1を取ることができたことは良かった。前節で敗北していたからなおさらだ。
結果は正当なものだと言ってもいいだろう。試合を通じてチーム全体がハードワークしたことへの報酬だと考えるべきだ。
前半に行ったプレッシングが功を奏していくつか危ないシーンはあったが、セットプレー以外ではさほど危険な場面を作らせなかったと言っていい。
個人的にはまだゴールを決めていないし、この試合でも相手ゴールまでたどり着くことができなかったのは残念だ。
前日に書いた記事「【セルタ】ラフィーニャとコスタス、アトレティコ戦に出場可能に。」の中で、僕は
サッカーの守備はディフェンダーだけが行うわけではないですし、むしろ今のセルタであれば前線に動ける選手が揃っていることからも、前線からのプレッシングを効果的に行うことでチーム全体としての守備が効率的に行われ、それが攻撃の面にも好影響を与えることになると考えるのが自然です。
もちろん90分を通じて前線からプレスをかけることなどはどんなチームにとっても不可能なことですが、年齢的にも若い選手が揃った今シーズンのセルタであれば、役割分担を行うことでチーム全体でのプレッシングは可能になるのではないかと個人的には考えています。
と書きました。
実際にはアトレティコ相手に効果的なプレッシングを行うことは難しいのではないかと考えていたのですが、強豪チームほどの激しいプレスではなかったとはいえ、アスパスの言う通り前線から比較的積極的にプレスをかけていたことによってアトレティコに得意な形での攻撃を許さなかったという事実は見逃せません。
今シーズン開幕前にアトレティコに移籍したポルトガル代表FWジョアン・フェリクスにも決定的なプレーはさせずに済みましたし、なによりも流れの中から失点しなかった理由はチーム全体で効果的なプレッシングができていたからだろうと僕は考えます。
アスパスがコメントしている「前半から行ったプレッシング」とはおそらく僕が考えていたことと同じ狙いでフラン・エスクリバ監督が指示したプランだったのだろうと思いますが、試合を見ている限りでは引き換えにアスパスが体力を消耗して交代する結果になっています。
アスパスの得点能力を考えると終盤までアスパスが残っていればどうだったのかと思ってしまうのがファン心理ではあるのですが、引き分けに終わったことを考えれば「終わりよければ全て良し」といったところでしょう。
ひとまずは強豪との試合が一段落し、次節からエスパニョール、エイバルという順位的には似たような状況にあるチームとの対戦が続きます。
この2試合で勝ち点4程度を得た上で、第8節と9節のアトレティック、アラベス、レアル・ソシエダとのバスク勢3連戦に備えたいところです。
「残留に向けての戦い」はまだしばらく続きそうです。