サンティ・ミナとウーゴ・マージョは順調に回復
スペイン現地時間8月30日午後20時にラ・リーガ・サンタンデール2019−2020シーズンの第3節をセビージャのラモン・サンチェス・ピスフアンで戦うセルタ・デ・ビーゴ。
この第3節セビージャ戦に向けて、前節で実戦復帰したFWサンティ・ミナとDFウーゴ・マージョはコンディションも回復しており、スタメンでプレーできる状態にあるようです。
仮にミナとマージョの2名がスタメンに名を連ねるとなった場合は第2節までのメンバーからウルグアイ人FWトロ・フェルナンデスと右サイドバックのケビン・バスケスがそれぞれベンチに下がることになると予想されますが、第2節のバレンシア戦で見せたチーム全体のパフォーマンスと個々のパフォーマンスを考えると、果たして単純にミナとマージョをスタメン起用するのが正解なのかどうかは判断がわかれるところでしょう。
フラン・エスクリバ監督の前日会見コメント
2019年3月の就任以降、フラン・エスクリバはアウェーでの勝利がありません。
2018−2019シーズンにおける「セルタ監督」としてのフラン・エスクリバの成績は14試合5勝4分5敗というもので、ホームで勝てるがアウェーで勝てないという「セルタの伝統」は守られていることになっていますがこの点を改善しなければならないことは明らかです。
フラン・エスクリバは現地時間8月29日にセビージャ戦に向けた前日会見を行っており、ビーゴの地元紙FARO DE VIGOがその内容を伝えています。
アウェーでの勝利について
セビージャ戦は非常に重要な試合になる。昨シーズン、私はホームでもアウェーでも勝てるようなチームにしていきたいと言ったし、今の状況がそのために最良の状態であると言えないのは確かではある。
サンチェス・ピスフアンは簡単に勝てるスタジアムではないが、それでも勝利するという意欲を持って乗り込まなければならない。
セルタの監督としてアウェーで勝利がないこと。そして開幕から続く厳しい3連戦であることを指摘されたフラン・エスクリバは上記のようにコメントし、どんな状況であっても勝利を目指していくという姿勢を明らかにしています。
招集リストについて
セビージャ戦に向けた招集リストにピオネ・シストとクラウディオ・ボーヴュの名前が無いことについて質問されたフラン・エスクリバは、
ピオネは他の選手たち同様にトレーニングに集中しているし、”彼の時”が訪れるのを待っている状態だ。クラウディオのケースはプレシーズンから変わっていないとしか言えない。
少なくともピオネとは何も問題を抱えていないと考えているし、彼のトレーニングに対する姿勢には満足している。彼を招集リストから外しているのはあくまでも私の個人的な判断だ。
とコメント。
ボーヴュに関してはクラブとしても放出・売却先を模索している状態がプレシーズンから続いているためその方針に変化はなく、シストに関しては練習中の姿勢などに問題はないもののエスクリバの個人的な判断で招集メンバーから外しているということを強調しています。
シストにせよボーヴュにせよ、ギリギリまで移籍市場での放出か売却を探っている状態であり、セルタとしては「うかつに出場させて」しまっては交渉に影響を及ぼす可能性があるので避けたいというのが本音でしょう。
セビージャについて
第2節を終えた時点でリーグ首位に立っているセビージャについて質問されたフラン・エスクリバは、
アウェーの2連戦で開幕を迎えたにもかかわらず連勝し、しかも無失点で抑えている守備面でのクオリティは言うまでもないが、彼の攻撃陣にも十分に警戒をしなければならないのは明らかだ。
とコメント。
エスパニョール相手に0−2、グラナダ相手に0−1と勝利しているセビージャが今シーズン初めてプレーするホームでの試合に対して高いモチベーションで臨んでくることを予想しながら、従来同様に厳しい試合になるだろうと予測しています。
セビージャは今シーズンから指揮を取る元スペイン代表監督ユレン・ロペテギがいまのところ順調にチームを作り上げており、開幕2連勝という結果にクラブもファンも現時点では満足しています。
セルタは開幕2試合をホームで連戦することができましたが、セビージャは反対にアウェー2連戦で開幕を迎えており第3節のセルタ戦が今シーズン初めてのサンチェス・ピスフアンで戦うゲームとなります。
セビージャの地元ファンにとっては新監督の作り上げている新チームを公式戦で初めて目にする機会でもあり、クラブとしてもホームのシーズン初戦を勝利で飾りたいと考えるのは当然のことでしょう。
その意味でセビージャにとっても第3節は非常に重要な試合ですし、今後の展望を考えるとセルタにとっても簡単には落とせない試合であることは間違いありません。
サンティ・ミナとウーゴ・マージョについて
負傷から回復したサンティ・ミナとウーゴ・マージョは2名ともベストなコンディションで今週のトレーニングを消化できていたし、どちらも90分間をフルにプレーできる状態にあると言える。
ケビン(・バスケス)とトロ(・フェルナンデス)のポジションを奪い取るレベルに戻ってきているのは間違いないだろう。
しかし無条件でミナとマージョをスタメンで起用するかは熟慮が必要だ。ケビン・バスケスもトロ・フェルナンデスもこの2試合でレベルの高いプレーを見せている。どの選手にも言えることだが、プレーするためにはその資格があることを示さなければいけないし、そのためには競争が必要だ。
チームとしてのフィジカルコンディションは高いレベルにあると考えている。セビージャでは夜であっても30度を超える気温になる可能性があり、それは体力を消耗することにもなるが、条件はどちらにとっても同じだから言い訳にはなりえないだろう。
特に今の時期はチームが一丸とならなければならない時期だ。常に相手ゴールに向かって進んでいかなければならない。
長い間アウェーで勝利をあげられていないのであればなおさらそうしなければならないし、現状のセルタの選手たちのクオリティであればそれができると思っている。ただ単に守備のことを考えていけはいけないし、我々はアグレッシブにプレーする必要がある。
「勝っているチームはいじるな」というサッカーの世界における格言に従いつつ、状況を見ながらも積極的に勝利を狙いに行くというメッセージを明確にしているフラン・エスクリバとセルタにとって、セビージャ戦は非常に重要な試合です。
開幕前に日程が発表された際、多くのメディアやファンは開幕の3試合で勝ち点がゼロとなる可能性が高いとも考えていました。
第2節のバレンシア戦で「意外な」形で勝利を勝ち取ったセルタにとってみれば、この状況は活かすべき絶好のチャンスです。
最低でも引き分け、勝ち点を奪い取る。
状況を見ながら勝利も狙い、チームを波に乗らせることができれば前半戦最大の山場はなんとか越せることになります。
昨シーズンあれだけ苦しんだ勝ち点の積み上げを今の時期にできることはシーズン中盤以降を考えた場合に非常に重要ですし、何より優先すべき「残留」を現実的なものにするためにはどうしても勝ち点の積み上げが必要です。
そしてそのためにはホームだけでなくアウェーでも勝ち点を確保できるプレーをすることが求められるため、エスクリバが言う「アグレッシブにプレーする必要がある」という言葉は真理をついています。
果たしてセルタは久方ぶりのアウェー戦勝利を実現できるのでしょうか。
明日の試合は様々な意味で今後を占う一戦になるのかもしれません。