【セルタ】攻撃の形を作れず、乾大活躍のエイバルに2失点で敗北。

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攻撃面での課題が噴出しつつあるセルタ

ラ・リーガ・サンタンデール第7節。

敵地エスタディオ・ムニシパル・デ・イプルーアに乗り込んだセルタ・デ・ビーゴはエイバルに2−0で敗れています。

この敗戦でセルタは順位を落とし、降格圏内まで勝ち点1差の17位。

7試合で4ゴールという得点力の無さをどう改善するのかということが、今後の明らかな課題であることが如実に現れた試合内容となりました。

後半開始早々にエドゥー・エスポーシトに先制点を決められたセルタは直後にもあわや日本代表MF乾貴士の今シーズン初ゴールかと思われたシュートを叩き込まれましたが、これは直前のプレーでハンドがあったとのVAR判定により取り消し。

ところがさらにその直後、ディフェンスラインでなんでも無い状態からガーナ代表DFジョセフ・アイドゥーがなぜか乾を含めたエイバルのプレス2枚の間をドリブル突破しようと試み、あっけなく乾にボールを奪われてかつてセルタでプレーしたチリ代表MFファビアン・オレジャーナにゴールを許します。

何度見返してもこのシーンはどう考えても不必要なプレーで、なぜアイドゥーが2枚の間を突破しようとしたのか、あるいは突破できると思ったのかが謎過ぎます。

逆の立場で見た場合この場面は乾の献身的なプレスが実を結んだ場面だとも言えるでしょう。

90分を通じて精力的にピッチを縦横無尽に動き回っていた乾にはゴールという結果で報われるべき試合内容だったとも言えますが、努力とプロセスをしっかりと見ることができるホセ・ルイス・メンディリバル監督にはこの2点目のシーンはしっかりと評価されることになると僕は思っています。

セルタに話を戻すと、この試合のセルタは90分を通じて得点の匂いが一切しないプレー内容に終始していました。

ミッドウィークにエスパニョールとのタフな試合を終えた後の疲労が溜まっていたという言い訳が可能だとはいえ、あまりにも攻撃のアイディアと形が見えないエイバル戦のセルタには早急な攻撃面での改善が必須であると言えます。

ワンパターンな左サイドの攻撃

今シーズン加入したMFデニス・スアレスとウルグアイ人DFルーカス・オラサが組み立てるセルタの左サイドは、セルタの攻撃にとって一つの「型」であることは事実です。

デニス・スアレスとオラサのテクニックと運動量はチーム随一と言ってよく、セルタの攻撃はほぼ左サイドを中心に組み立てられていきます。

攻守にバランスの取れたプレーができるDFウーゴ・マージョが右サイドにいるため、前に出ていくことでより能力を発揮できるデニス・スアレスとオラサを中心に攻撃を組み立てる事自体は全く悪くないのですが、最終的にどこにボールが行って誰が来るのかを完全に読まれているため左サイドがただの個人技頼みの放置状態。

これではデニス・スアレスを3枚ぐらいで囲んで潰せば点は取られないと誰でもわかります。

実際にエイバルは徹底的にオラサの上がりを抑えてデニス・スアレスを孤立させるようなプレスのかけ方をしているように僕には見えましたし、もし僕が今のセルタと対戦するチームの監督の立場にいたとすれば同じことをするでしょう。

中を切って後ろにボールを戻させてしまえば、イアス・アスパスの突然変異的な天才的プレーを披露される可能性は極限まで減るからです。

このようなワンパターンな攻撃が続くようでは相手の調子次第では勝てるでしょうが、「安定してゴールを決めることで勝ち点の確保を狙う」というクラブが当初掲げていた目的を達することは非常に難しいと言わざるを得ません。

グラナダ戦での敗戦はスペインのローカルルールとVARによる退場者が出ていたためにまだ言い訳のしようもあるものでしたが、率直に言ってエイバル戦の敗戦は現段階でのベストメンバーを揃えた中での敗戦であり、その中での「完敗」と言える内容でした。

シーズンの5分の1を終えた現時点では、「チーム作りの最中」という決り文句を使うこともためらわれるタイミングです。

となれば当然話題に上がることが出てきます。

フラン・エスクリバはセルタの監督として続投させるべきか?

スペイン最大のスポーツ紙MARCAは、第7節エイバル戦での敗戦がフラン・エスクリバのセルタ監督としての将来に暗雲を投げかけるものだと分析しており、次のような読者アンケートをインターネット上で行いました。

1.セルタはフラン・エスクリバを解任するべきか?

2.解任はまだ早いと思うか?

結果は

解任論が67%。続投論が33%。

残留を最優先事項として考えるのであれば、手を打つなら早いほうがいいでしょう。

ただし、解任するとしても後任を誰にするのかが問題です。

アントニオ・モアメドを解任しミゲル・カルドーゾに監督を替えて状況が悪化した昨シーズンの例を繰り返すわけにはいかないセルタにとって、このタイミングで監督交代を行うのであれば現有戦力を使った攻撃面での改善を確実に実現できる方法論を持った監督を据える以外に選択肢はありえないと僕は考えます。

例えばアベラルド、例えばキケ・セティエンのような監督を連れてくることができれば話はわかりますが、果たしてセルタに彼らのような監督を招聘する財力が残っているのかどうかが僕には甚だ疑問です。

セルタは現地時間月曜日の午前10時半からクールダウンを兼ねた全体練習をア・マドローア練習場で行いますが、MARCAは同時刻にカルロス・モウリーニョ会長を含めた経営会議が招集されることになるはずだと予想しており、そこで第8節のアトレティック戦まで様子を見るのかどうかの話し合いが行われるのではないかと報じています。

エイバル戦で2失点しているとはいえ、ディフェンス面での破綻は見られないセルタ。

この点に関してはフラン・エスクリバはある程度仕事ができていると言えるのかもしれませんが、とくかく点が取れないことには順位も上がっていきません。

本当に経営会議が招集されるのだとしたら、そこでどのような決断が下されるのか。

明日以降のセルタに関するニュースは、ファンにとって注目のものになっていくのかもしれません。

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