【セルタ】クラブ史上最高額の移籍金で獲得されたのは、あの男。

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過去数年間で最大規模の補強を行ったセルタ

近年稀に見る積極的な補強を行ってきたセルタ・デ・ビーゴ。

デニス・スアレス

サンティ・ミナ

ジョセフ・アイドゥー

ガブリエル・“トロ”・フェルナンデス

ホルヘ・サエンス

カンテラ出身者を中心に、将来への投資にもなり得る若手選手の獲得でありながらも、昨シーズン終了後にクラブを退団した選手が努めていたポジションを埋める効率的な補強を行ってきました。

デニス・スアレスとサンティ・ミナの2名に関しては国内外で実績のあるいわば「名前のある」選手達ですが、意外なことに今シーズンはおろかこの19年間で、セルタが1人の選手を獲得するために支払った移籍金が1500万ユーロを超えたことはありません。

Nadie supera a Catanha como el fichaje m疽 caro
Han pasado m疽 de diecinueve a

1500万ユーロの男

セルタのクラブ史上最高額となる移籍金が支払われた選手は、2000年にセルタに加入したブラジルからの帰化選エンリケ・グエデス・ダ・シウヴァ・“カターニャ”です。

1996年にサラマンカに加入し、レガネスへのレンタルを経て1998年から2000年までマラガでプレーしたカターニャは1999−2000シーズンに大ブレイク。

ゴール後に鳥が羽ばたくパフォーマンスを繰り返すことからカターニャは「La Gaviota(ラ・ガビオータ)=カモメ」のニックネームでマラガファンから親しまれました。

1998−1999シーズンは26得点。1999−2000シーズンも24得点を挙げ、特に1999−2000シーズンはアトレティコ・マドリーでプレーしていたオランダ代表FWジミー・フロイト・ハッセルバインクと並びリーグ2位タイの得点数を記録。

すでに帰化手続きを済ませてスペイン国籍を取得し、スペイン代表にも選出されていたカターニャは外国人枠の問題とも無関係でした。さらに2シーズン連続での20得点以上という高い得点能力も評価され、2000−2001シーズン開幕前に中規模の地方クラブを中心とした熾烈な争奪戦が展開されることになったのです。

最終的に最後の最後までカターニャの獲得を争ったのはセルタとデポルティーボの2チームで、カターニャはセルタでのプレーを希望しているという噂が飛び交いつつも、最終的にデポルティーボと仮契約を締結したというニュースが大々的に報じられたため、セルタファンは「またデポルティーボにしてやられた」と忸怩たる思いを噛み締めていました。

ところが、「デポルティーボへの入団記者会見が行われる」と発表された当日早朝、ビーゴの町から忽然と姿を消した当時のセルタ会長オラシオ・ゴメスとスポーツディレクターのアルフレード・ロドリゲスがマラガの空港で目撃されたとのニュースが報じられます。

すると同日午後、なぜかオラシオ・ゴメス、アルフレード・ロドリゲス、そしてカターニャ本人が揃ってビーゴのエル・ペイナドール空港に出現。

セルタはその場で「カターニャを正式に獲得し、本人との正式な契約書の締結を済ませた」と発表したのです。

マラガに支払われることになった移籍金は約30億ペセタ=現在の通貨単位にして1500万ユーロでした。

誰もカターニャを超えられない

2019−2020シーズンを迎えるにあたり、オフシーズンに積極的な補強を行ってきたセルタは、かつて放出してきたカンテラ出身者を再度獲得する「帰還事業」を展開しました。

その結果バルサからデニス・スアレス、そしてバレンシアからサンティ・ミナを獲得することになったわけですが、ミナの移籍はウルグアイ代表FWマキシ・ゴメスの売却と関連して行われました。

表面上はマキシ・ゴメスを3000万ユーロで売却し、その中から1500万ユーロを支払う形でミナの移籍金として計上されているようなので、一応はミナの移籍金額が史上最高額タイと考えることはできるでしょう。

デニス・スアレスの移籍金は1290万ユーロ+ボーナス310万ユーロとなっているため、支払い金額が確定している移籍金の額としては1290万ユーロになっています。

そのため、いまだにカターニャの移籍金1500万ユーロが、ミナと並んでセルタの歴史上最高額であるということになるのです。

この事実はいくつかの事柄を示唆しています。

19年間に渡り1500万ユーロ以上の移籍金を必要としない移籍を行ってきたセルタは、「安くて使える選手」を獲得することに優れている、と見ることもできますし、逆説的に考えれば「資金繰りに苦しみ続けてきた19年間だった」と考えることもできます。

だからこそエムレ・モルを獲得した際に支払った1300万ユーロという金額が驚きをもってファンに受け止められたとも考えられるのですが、残念ながらエムレ・モルはここまで1300万ユーロの価値に見合う結果を残せてはいません。

いずれにしても1500万ユーロ以上の移籍金を好むと好まざるとにかかわらず消費することなく19年間を過ごしてきたセルタにとって、1300万ユーロのエムレ・モルは悩みの種になってしまっており、現在セルタはエムレ・モルの売却先を必死に探しているのが現実です。

どうせここまで来たのであれば、このまま大金を使わずにローリスク・ハイリターンを実現できるクラブとしてのスタイルを確立していって欲しいとすら思ってしまうのですが、お金がないばかりに必要な選手を獲得したり引き止めておくことが出来ずに降格したこともあるクラブなので、あまりやりすぎるのもよくないのでしょう。

財政状態が徐々に改善しているセルタは、今後どのような移籍戦略をとっていくことになるのでしょうか?冬のマーケット、そして来シーズンに向けた動きの中から、もしかしたらそのヒントを見つけることができるのかもしれません。

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