スペイン語の初心者・独学者は勉強方法に悩みがち
気がついたらスペイン語歴が22年になっていました。チェマです。
このブログではスペインサッカーやスペイン語についての記事を書いています。
今の時点で「スペイン語を勉強してみたい」「スペイン語の勉強を始めた」という方はどんな方が多いでしょうか?
大学で専攻している方。
語学学校に通っている方。
独学で勉強している方。
恐らくいろいろな方がいると思いますが、この記事ではその中でも以下のような方を中心にした内容を書いていきます。
初心者で、基本的に独学
正直言うと大学の専攻や語学学校で勉強する場合は先生がいてカリキュラムが決まっており、しっかりとした段階を踏んで勉強できる仕組みが整っているので勉強法に悩むことはそんなに無いと思います。
しかし、初心者で独学の場合はそもそも「どのような順序で勉強すればいいかわからない」ということがほとんではないでしょうか?
スペイン語初心者で独学の方向けにおすすめできる勉強のステップを前回の記事で紹介しているのでぜひそちらもご覧ください。
大切なのは語彙力:増やしておいて損することはない
スペイン語に限らずある言語を身につけようとする場合、「これだけやっておけばいい」ということはありません。
ある人は「文法さえマスターすればあとはなんとかなる」と言いますし、別の人は「とにかく語彙力。活用も文法も知らなくても会話はできる」と言うかもしれません。
ある意味それらの言葉は真実ではありますが、それだけでスペイン語が身についたと言えるのか、自分が思ったようにスペイン語を使えるようになったと言えるのかは断言できないと思います。
言葉にしてしまうとちょっとしんどく見えるかもしれませんが、僕は「文法も語彙力も慣用句の知識も動詞の活用・時制の理解も」全て大事だと思いますし、身につけるべきだと思っています。
そしてこの中で初心者のうちからやっておく癖をつけて、この先も継続してやり続けたほうがいいと思っていることが一つあります。
それが「語彙力の増加とアップデート」です。
例えば文法や慣用句に関しては既に決まった形があり、数十年、数百年というスパンで見れば徐々に変わっていく可能性はありますが、基本的にはよほどのことがない限り大きく変わったり増えたりすることはありません。
しかし単語に関しては違います。
100年前のスペイン語には「ハードディスク=Disco duro」という言葉はなかったでしょうし、「ツイートする=Tuitear」という動詞は間違いなく存在しませんでした。
自分が話すにしろ相手の話を聞くにしろ、単語の知識量=語彙力がなければ言いたいことが言えませんし、相手の言っていることもわからない部分が増えてしまいます。
そのためにも初心者のうちから語彙力をつけておくことは大切ですし、独学の場合は語彙力を増やす勉強をするだけで少しでも前進した実感を得ることができます。
語彙力を増やすためにやるべきこと
一口に「語彙力を増やす」と言いますが、実際に「どうやるのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
残念ながら語学に近道や裏技はないので、地道にやるしかありません。
僕自身がやっていたことなので断言できる方法として、迷ったらこれをやっておけ、というものがこれです。
ひたすら単語を書き写す
「そんなこと?」と思う人がいるかもしれませんが、これは意外と重要で見落としがちです。
例えば小学校の時に漢字を覚える時に漢字ドリルをやりましたよね?同じ漢字をひたすら何度も書き写しませんでしたか?
スペイン語の単語を繰り返し書き写すのも漢字ドリルと一緒です。
僕はスペイン語の勉強を始めた最初の年、つまり初心者だった1年間に20冊ぐらいノートを使いました。それも「単語だけで」です。
僕は大学でスペイン語を勉強していたので、幸運なことに大学で指定された教科書が何冊もありました。
その中の例文やセクションの題名など、ありとあらゆる単語を片っ端からノートに書き写し、あとから辞書で日本語の意味を調べて横に書くだけの作業をしました。
単語を書き写し、意味を調べたあとは書き写したノートを閉じて何も見ないでもう一度教科書や例文を読み直します。
「この単語さっき調べたけど意味なんだっけ?」というのが出てきたら、ノートを開いてもう一度その単語を書き写して再度辞書で意味を調べてそれも書きます。
それをひたすら繰り返していくことで、気がついた時には何となくでも明確にでも、その単語の意味が頭に定着して語彙力は増えていくはずです。
1度や2度で覚えられなくても凹む必要ナシ
語彙力を増やす勉強をしている最中は、当然のことながら例えばノートの2ページ前で同じ単語を調べている、というようなことが連発です。
でもそこで「ああ、この単語また覚えられなかった・・・」と凹む必要は一切ありません。
それは「覚えられなかった」という「失敗」ではなく、「その単語が自分という人間に紐付いていない意味を持っている」というある種の「発見」だと思ってください。
日本人である僕たちが広辞苑を適当に開いた時に、知らない言葉が多いのと同じです。
日本語で自分が使う頻度の高い単語や言葉というものは、不思議なものでスペイン語だろうとイタリア語だろうと英語だろうと比較的簡単に覚えられます。
しかし普段自分が使わない種類の言葉というものは、たとえどんな言語でも使用頻度が低くなるのでなかなか自分の中に定着しません。
でもそれでいいんです。そんな単語をスペイン語だからといって急に使うことがありますか?たぶん無いはずです。
逆も然りで、自分の生活や趣味などの中で頻繁に目にしたり聞いたりする言葉は、他人は覚えられなくても自分は覚えられたりします。
例えば僕は「Ligamento cruzado=十字靭帯」という言葉を死ぬまで忘れることがないでしょう。なぜなら僕が普段から読むサッカー関連のスペイン語記事の中ではめちゃくちゃ頻繁に登場する言葉だからです。
日本語でも「○○選手が十字靭帯損傷で○ヶ月離脱」というニュースがありますよね。普段からそういう文章を見聞きしているからスペイン語でも簡単に覚えられるわけです。
初心者の独学には「好きなもの」を教材にする
とはいえ、全く自分と関わりがなく興味もわかない単語をいくら調べても自分の気持ちがついていきません。
僕が初心者の頃はネットでスペインのスポーツ新聞、一般紙のスポーツ関連記事からサッカーの記事だけを抜き出し、その記事の中に出てくる知らない単語をひたすら辞書で調べて読みまくり、単語を書き写しまくりました。
いわゆる「アウトプット」のために、当時流行っていた無料ウェブサイト作成サービスを使い、調べた内容を和訳して発信するというよくわからないこともしていました。
あとから振り返るとこの作業は実に効率のいい行動でした。
自分が好きなサッカーという趣味に関するスペイン語の記事の中でわからない単語をひたすら調べて書き写し、意味がわかるようになるまで調べ上げることで日本語に変換して理解できるようになりました。
好きなことを調べているので、しんどいのは確かですが意味がわかった時の達成感を得ることもできました。
繰り返していくうちに徐々に辞書を使う頻度は減っていったのです。
初心者の独学こそ、「好きなものを調べる」ことが大切です。誰も指示してくれない環境で勉強するわけですから、可能な限り自分のモチベーションを維持できるものを「教材」として設定し利用するのが効果的です。
そして「好きなものを教材にするために」必要な単語を調べなけれならないというある種の「強制性」が出てくるので、誰かに指示してもらう代わりにもなりますし、同時にそれが自主性にも繋がります。
初心者の独学を助けるツール
単語を調べるには必ず辞書が必要になります。
前回の記事の中でスペイン語初心者のためのおすすめ辞書を紹介していますので参考にしてみてください。
社会人の方の場合は自宅に帰ってしまうとどうしてもやる気が出なかったり、紙の辞書を持ち歩くのがしんどいという方もいるかもしれません。
そんな場合には電子辞書を使ってもいいでしょう。
僕からすると本当に羨ましいことに、今はスペイン語の電子辞書が販売されています。
電子辞書の良いところはスペイン語→日本語だけでなく、日本語→スペイン語の検索も可能なところ。毎日西和辞典と和西辞典を抱えて歩くのはしんどくても、コンパクトな電子辞書なら毎日カバンの中に入れていても邪魔になりません。
そしてキーボードとタッチパネルがついているので、紙の辞書とは違い目的の単語を素早く確実に調べられるのが最大のメリットです。
グーグル翻訳などを使っても問題はないのですが、グーグル翻訳の場合は単に意味を変換するだけになってしまうので、初心者の独学の場合はちょっと不十分で物足りない結果になってしまいます。
意味の変換さえできればあとは自分でどうとでもなる、というレベルまで上達していればグーグル翻訳でもいいのですが、初心者のうちは紙の辞書か電子辞書を使ってしっかりと意味を把握して語彙力を高めていくようにしましょう。
以上、スペイン語初心者が独学で語彙力を高めるためのコツをご紹介しました。
これからもおすすめの勉強法などを随時ご紹介していきたいと思います!