2020年6月4日時点での噂
6月11日のセビージャ・ダービーを皮切りに再開されるラ・リーガ・サンタンデール2019−2020シーズン。
セルタ・デ・ビーゴは現地時間6月13日にホーム、バライードスで行われるビジャレアルとの試合を再開初戦として迎えることになっています。
セルタの順位は現在17位。
残留が確定的なわけでもありませんし、かといって降格が目の前に迫っているとも言い難い微妙な状況に置かれていると言っていいでしょう。
気を抜けば落ちるというのは間違いありませんが、今シーズンの場合は降格と残留を巡る動きが例年よりもイレギュラーであることは明白です。
そんな中でも、時期が時期だけに各チームとも来シーズンに向けた契約や移籍の噂は出てきており、セルタに関してもそれは例外ではありません。
ウルグアイ人DFルーカス・オラサ、ブラジル人MFラフィーニャ・アルカンタラ、ロシア代表FWフョードル・スモロフ、クロアチア人MFフィリップ・ブラダリッチ、コロンビア代表DFジェイソン・ムリージョ、そしてスペイン人MFパペ・シェイク。
これら6名の期限付き移籍、あるいは買取オプション付きレンタル移籍での加入選手達に関しては、それぞれにオプション行使や買い取り、あるいは完全移籍の噂が出てきています。
課題は給与支払いの問題
全世界が同じ状況にあるため、スペインも含め、再開される各国リーグ戦においては共通する臨時措置がいくつかあります。
代表的なものは今シーズンの全日程を終えるまで、1試合の交代人数を5人までに増加すること。
選手の体調面を考えればこれに異議を唱える関係者もファンもいないでしょう。
これは競技面でのことですが、実務面・経営面的な話題としてはレンタル期間の実質的な延長があります。
基本的にヨーロッパでプレーするサッカー選手の契約期間は7月1日〜6月末日までとなっていて、今シーズンに関してもそれは例外ではありません。
そして、買取オプション付きを含めた期限付き移籍の場合、文字通りの「期限」とは6月末日を意味しています。
2019−2020シーズンの現在、セルタに在籍するオラサ、ラフィーニャ、スモロフ、ブラダリッチ、ムリージョ、パペ・シェイクの6名の移籍期限も6月末日だったのですが、今のところは6名とも「2019−2020シーズンの全日程終了までは6月末日を過ぎても現行契約の適用範囲内とする」という合意が所属元各クラブとされているようです。
ただし問題がないわけではありません。
ラ・リーガの最終節は現地時間7月19日が予定されています。
契約の書面上は6月末日までとなっている各選手たちの7月1日〜19日までの給与を誰が支払うのか、という問題があるのです。
原則として期限付き移籍で加入した選手の給与はプレーしているクラブが支払うことになりますが、書面上では所属期限が切れたことになっている選手たちの給与をセルタが支払うことが、クラブの財政にどれほどの影響を与えることになるのかという問題があります。
口頭での合意だったとしても書面で契約として成立していないという解釈がなされる場合、この点をはっきりさせずにシーズン終了までプレーすれば、選手たちのプレーはセルタ側の「不当利得」であると判断される可能性も否定できません。
クラブも各代理人もこの点は当然理解しているはずなので、恐らくは問題の解決と明確化に動いているものと思いたいですが、シーズン終了後にこの点で揉めないように願わずにはいられません。
ひっそりと報じられるバディージョ獲得の噂
期限付き移籍組の処遇が気になる一方、来シーズンに向けての動きに関してもセルタは余念がないようです。
ガリシアの地方大手紙La Voz de Galiciaの報道によれば、グラナダでプレーするFWアルバロ・バディージョの獲得が大筋で合意に達したと言われています。
バディージョは1994年9月12日生まれの25歳。ヘレス・デ・ラ・フロンテーラとカディスのほぼ中間に位置するような形になっているアンダルシアのプエルト・レアル出身です。
ベティスでデビューし、その後ウエスカ、そしてグラナダへ移籍。
2019−2020シーズンは中断前まで22試合出場(うち15試合スタメン)、1220分プレー。3ゴールを決めています。
先程の契約の話にも繋がりますが、グラナダとバディージョの契約は2020年6月末日までとなっており、現時点で契約の更新はされていません。
つまり、7月1日以降のバディージョはいわゆる「フリー」の状態になるため、仮にセルタとバディージョが2020−2021シーズン以降の契約に合意していた場合、セルタはグラナダに移籍金を支払う必要がないことになります。
果たしてこの噂が真実なのかどうかはいずれわかることではあるのですが、この契約に関する噂にはもう一つ気になる情報があります。
それは、契約へのサインは「セルタがプリメーラ残留を決めた場合に行われる」ということ。
降格するつもりでシーズンを戦うクラブは恐らく世界に一つもないはずですし、セルタもクラブとしてだけではなくファンとしても残留を願っているわけですが・・・。
果たしてこの噂が真実だと僕達ファンが確認できるのはいつになるのでしょうか。
約1週間後に迫ったラ・リーガの再開と、その後に待ち受けるであろう様々な出来事。
決して中断前と同じ状態ではない各チームは、わずか1ヶ月半で消化される残り11試合をどのように戦っていくのでしょうか。


