スペイン主要メディアが久保のレアル・マドリー移籍が最終段階と報道
スペインの大手スポーツ紙MARCA、AS、SPORTの3紙は、レアル・マドリーがFC東京の日本代表FW久保建英の獲得が間近だと報じました。
MARCAは自社名での取材結果と主張。
ASは東京中日スポーツの報道を引用。
SPORTはMARCAの報道を引用。
バルセローナを本拠とするMundo Deportivoは現時点で久保に関するニュースを掲載していません。
日本のスポーツ紙上ではメディカルチェック済みと報じられていましたが、独自取材による情報を主張するMARCAの記事ではこのメディカルチェックの実施有無については触れられていません。
以下はMARCAの記事です。
レアル・マドリーは現在FC東京でプレーする日本サッカー界の新生、18歳の久保建英獲得においてバルセローナに対して先行しているようだ。久保は2014年にバルセローナが犯したFIFAの未成年者移籍に関する規定違反により制裁を受けるきっかけとなったうちの1人。
それから数年の時を経て彼はスペインへ帰還することになりそうだが、行き先がカタルーニャからマドリーへと変わることになる可能性が高い。
レアル・マドリーが提示するこの若い日本人に対する年俸は100万ユーロ(約1億2千万円)だと見られている。
FIFAの国際移籍条項第19条に抵触しない満18歳を迎えた久保を取り巻く状況は変わり、合法的にヨーロッパでの挑戦に全力を傾けることができる状況になった。そしてこの状況下においてヨーロッパへの帰還はバルセローナ経由ではなく、マドリー経由になる見込みである。
バルセローナは数年に渡り久保の復帰に時間を費やしてきたが、アジアサッカー界の宝石である若者に興味を持ったのはバルセローナが唯一の存在ではなく、レアル・マドリーやパリ・サンジェルマンなどの反抗に遭うことになった。この日本の若者の周辺にはこれ以外にも興味を示すクラブが複数存在すると言われている。
今日現在レアル・マドリーが久保にオファーした金額は年俸約100万ユーロだと考えられており、この金額はバルセローナが18歳の若者に提示可能な限界を超えた金額だと考えられている。レアル・マドリーは若年層選手の移籍に対してより積極的な政策を取っており、チームに若い才能をもたらすというレアル・マドリーの政策に合致したのがこの日本人だった。
移籍交渉は現時点で100%合意には達していないものの、MARCAが取材した結果から考えれば交渉成立は非常に可能性が高いと考えられる。フロレンティーノ・ペレスが描いている計画はハッピーエンドを迎えることになるだろう。
レアル・マドリーがFC東京に支払う移籍金は200万ユーロ(約2億4千万円)になると見られており、ベルナベウの主と久保との間に結ばれる契約期間は5年。また初年度はレアル・マドリー・カスティージャへの合流が濃厚だと見られている。
レアル・マドリーが久保の獲得を決定したという事実と移籍金や年俸に関する提案は理に適ったものだと考えられており、ゴールよりもアシストを好むメディアプンタ(=いわゆるトップ下)でのプレーを得意とするプレースタイルが、日本サッカー界のタレントと契約するに足ると判断されたようだ。
久保は既にトップチームでプレーするレベルにあると証明したヴィニシウス・ジュニオールや、今後数年はロッカールームをともにするであろうロドリゴと同様に、バルデベーバス練習場に姿を表わすことになるだろう。
果たしてこの報道がどこまで信憑性があるのか、それはまだわかりません。
しかし18歳というまだまだ伸びしろがある段階でヨーロッパ屈指のビッグクラブであるレアル・マドリーから本当に5年契約が提示されているのだとしたら、これは日本サッカー界に取って衝撃的なオファーだと言えるでしょう。
復帰は既定路線と言われていたバルサはどう対応するのか
一方で気になるのはバルサ側の対応です。
バルサが難色を示したと言われている年俸100万ユーロという条件は、確かに18歳でヨーロッパでの実績がない選手に支払う金額としては高めなのかもしれません。
しかし2015年以降も久保はバルセローナに渡りカンテラの練習に参加していたと報じられていますし、バルサは定期的に久保側とコンタクトを取ってきたとも言われてきました。
今後さらなる伸びしろがあるという久保の才能を最も身近で見てきたバルサのカンテラ指導陣が、今の状況を指を咥えてみているだけとはどうにも考えにくいのです。
先日公開した記事「元会長ラポルタ氏、現会長バルトメウの政策に疑問を呈す」の中でラポルタの興味深いコメントがありました。
今現在のラ・マシアを見れば一目瞭然のことだが、そこに明確な方針や計画は反映されていない。バルサが持続的に発展するためにはラ・マシアが機能しているが前提であり、ラ・マシアこそがバルサのモデルにおける柱の1つだ。
今のバルサはスタイルにもラ・マシアに対しても忠実ではない。それは否定できない事実だ。
【バルサ】元会長ラポルタ氏、現会長バルトメウの政策に疑問を呈す元バルサ会長ジョアン・ラポルタがスペインメディアの取材に対し、現首脳陣の政策を批判。バルサが本来目指すべきスタイルからかけ離れていると発言しています。ラポルタのコメントから、今のバルサが抱える課題が見えてきそうです。
このラポルタの推測が事実だとすると、現在のバルサ内部ではカンテラと首脳陣上層部との間で深刻な意見の食い違いがあるのかもしれません。
ジュセップ・グァルディーラ以降のバルサの補強実績を見返してみると、確かにラポルタの指摘どおりカンテラからの昇格プレーヤーは多くはありません。ジェラール・デウロフェウやデニス・スアレスの例にヒントがあるのかもしれませんが、カンテラから他クラブへ放出し、育っていれば買い戻す。それでもチームに貢献できなければまた放出するだけ、というやり方を良しとしているようにも見えます。
もしかするとセスク・ファブレガスの復帰と数年後のあっさりとした離脱劇からこの動きは始まっていたのかもしれませんが、公に語られていない以上は僕個人の邪推でしかありません。
果たしてこのまま久保のマドリー加入をバルサが放置しておくのか、それとも急転直下のバルサ再加入があるのかどうか。
結果はどうあれ、この久保の移籍報道からレアル・マドリーとバルサそれぞれの選手獲得ポリシーと、目指す方向性の一端は見えてきそうです。
6月18日に日本代表が初戦を迎えるコパ・アメリカ2019に招集されている久保建英。
久保本人と日本人。そしてレアル・マドリーとバルサにとっても、このコパ・アメリカは重要なものになるのかもしれません。