【レアル・マドリー】日本代表・久保建英の獲得を正式に発表。

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レアル・マドリー、日本代表・久保建英の獲得を正式発表

現地時間2019年6月14日、レアル・マドリーはクラブ公式ウェブサイト上で日本代表FW久保建英の獲得を正式に発表しました。

スペイン国内の主要スポーツメディアもレアル・マドリーによる久保の正式獲得決定を報じており、それによると移籍金200万ユーロ、年俸100万ユーロという当初報じられていた内容がそのまま伝えられています。

ただしスペイン最大のスポーツ紙MARCAだけは「移籍金ではなく、育成金のみを支払う」こと、「契約期間が6年である」と報道しているのが気になります。

バルセローナを本拠とするMundo Deportivoもアンヘル・ペレス記者の署名入り記事で久保のマドリー加入を報じました。アンヘル・ペレス記者の記事では、久保が元々バルサのカンテラ出身であることやFIFAの規約違反により退団せざるを得なかったことなど既存の情報を記載。

加えて、久保本人はバルサへの復帰を望んでいたものの、久保側とバルサ側双方の条件が折り合わなかったことについて触れています。

それによると久保側(代理人含め)が求めた条件は年俸100万ユーロの5年契約と、1年後のトップチーム昇格を前提にすることだったとされています。バルサとしては18歳の若手選手に対して提示する年俸と、カンテラの主義に相反するこの要求を受け入れることができなかったために久保側とバルサの交渉が頓挫したようです。

上記を主な理由として久保側とバルサの交渉が決裂したということが事実だとすれば、レアル・マドリーは上記の条件か、もしくは限りなく近い条件を久保に提示したと考えるのが自然でしょう。

実際に各メディアが報じているレアル・マドリーと久保の契約内容は、5年契約の年俸100万ユーロだと繰り返し報じられています。また初年度、つまり2019−2020シーズンは元スペイン代表FWでレアル・マドリーOBでもあるラウール・ゴンサレーレス・ブランコが指揮を執るレアル・マドリー・カスティージャへ合流することで合意しているとも報じられています。

レアル・マドリー・カスティージャとFCバルセローナB

このカスティージャへの合流に関わるレアル・マドリー側の提示条件が久保側の判断基準になったのではないかと僕は考えているのですが、カスティージャとバルセローナBの現状を比較してみましょう。

レアル・マドリー・カスティージャ FCバルセローナB
所属カテゴリー セグンダ・ディビシオンB セグンダ・ディビシオンB
監督 ラウール・ゴンサーレス・ブランコ フランシスコ・ハビエル・ガルシア・ピミエンタ
2018−2019シーズン成績 グループ1:4位 グループ3:8位

セグンダBは他国で言う3部リーグ相当のエリア別リーグで、全国リーグではありません(全国リーグとなるのはセグンダAから)。スペインを4つのエリアに分割し、エリアごとに各20チーム、合計80チームによるエリアごとのリーグ戦が行われます。

カスティージャの現監督は元スペイン代表FW、元レアル・マドリーのラウール・ゴンサーレス・ブランコ。

バルサBの現監督は2001年からバルサのカンテラで指導を続けているガルシア・ピミエンタが務めています。

監督同士の選手としての実績を比較した場合は圧倒的にラウールがピミエンタの上を行っています。ラウールは17歳でレアル・マドリーのトップチームにデビューしスペイン代表としてワールドカップに出場。チャンピオンズリーグも含めて数々の国内外タイトルを獲得しています。

対するピミエンタは選手としての実績がほぼなく、トップチームデビューでは結局プレーしていません。代表歴もU-16スペイン代表への選出歴はありますが、それ以上の実績はありませんでした。

カスティージャの育成実績と、久保が今後向かい合うもの

報道される機会が多いため、日本では「バルサが育成の代表格」のように思われがちにも見えるものの、なんだかんだでマドリーも育成はきちんとやってきています。

カスティージャを指揮しているラウールもカスティージャ出身ですし、トルコのベシクタシュでアシスタントコーチを努めているホセ・マリーア・グティエレス・エルナンデス・”グティ”もカスティージャ出身。サンティアゴ・カニサーレス、イケル・カシージャスやアルバロ・アルベロア、ダニエル・カルバハル、ダニ・パレーホ、アルバロ・ネグレドやフアン・マタもカスティージャ出身選手です。

推測されているように、レアル・マドリー側が「年俸100万ユーロの5年契約。19歳でのトップチーム昇格を前提」とした契約条件を提示していて、反対にバルサがこの条件は無理だと突っぱねていたのだとすれば、条件的な部分のみを考えた場合断る理由はないでしょう。

  • 条件は合う。
  • 環境も同等。
  • クラブの規模とレベルも同等。

理想的な環境であることは間違いありません。

とはいえ、この移籍は久保にとってスタートラインに戻ったに過ぎません。

僕は個人的に彼の実力はセグンダBのレベル以上だと考えていますが、新シーズンは彼自身がそれを証明する必要があります。

トップチームへの昇格が前提となった契約だとしても、外国人枠の問題もあります。

EUの法律で「継続した居住」が条件となっているのでなければ、久保は2020年にはEU圏内居住が5年を満たすはずであり、EU市民権の取得が”ルール上は”可能になるはずですが、日本の法律では二重国籍は認められていませんし、この点をどう解釈し対応するかもポイントになるはずです。

もしEU市民権が日本の法律との兼ね合いで取得できないとなった場合はEU圏外選手扱いが継続することになるので、トップチーム内のEU圏外選手数とのバランスが問題になります。

場合によってはそれが解消するまで他クラブへレンタル移籍をすることもあるでしょう。

ただ、それもこれも全て久保本人が自分のプレーで打ち破らなければならない壁です。

1人のサッカーファンとしては、久保がサンティアゴ・ベルナベウで白いユニフォームをまとってゴールを決める場面を見てみたいというのが本心です。

まだまだ待ち受ける「状況」という壁を、18歳の彼がどうやって打ち破っていくのか?

それをじっくりと見ていけることを楽しみにしたいと思っています。

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