【セルタ】サンティ・ミナはアスパスの新たな”相棒”になれるか

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イアゴ・アスパスの新たな”相棒”として期待されるサンティ・ミナ

バレンシアから4年ぶりにセルタに復帰したサンティ・ミナは、2024年までの5年契約にサインし、すでに正式なセルタの選手としての新たなスタートを切っています。

FARO DE VIGOはこのミナの移籍がセルタの前線に変化をもたらすだろうと予測しており、イアゴ・アスパスとミナのコンビがセルタの攻撃に流動性をもたらすだろうと報じています。

ミナ本人は今回の移籍に関する思いを、7月14日の記者会見で

今日、僕は家に帰ってきました。この移籍はずっと夢見ていたことでしたが、それ以上にとても誇らしい気持ちです。

また改めてこのユニフォームに袖を通せることを誇らしく思いますし、今シーズンを全員にとって素晴らしいものにしたいと思っています。そして僕たちならそれを成し遂げられると思っています。Hala Celta!!

とコメント。

ミナはメディカルチェックを終えセルタとの契約にサイン済みで、19日金曜日にバライードスでのプレセンタシオンを終えたあと、チームが合宿中のア・トーシャへ移動し合流。新チームでのシーズンをスタートさせることになっています。

ミナは記者会見で、バレンシアファンに向けたメッセージとしても

バレンシアに来て4年が経った今日、皆さんにお別れを言う日が来ました。

この素晴らしい4年間に感謝を捧げます。

この4年間は僕をサッカー選手としても1人の人間としても成長させてくれたものでした。

というコメントを残しています。

「帰還事業」の完了

セルタはこの13年間の間、累積赤字の解消と負債の返済に追い立てられてきました。

日本円で約82億円に上る返済を行うためにありとあらゆる手を打ってきたセルタにとって、最も確実に現金を手にできる手段は有望な若手選手の売却しかありませんでした。

世界各国のサッカークラブの中で「中小」と言われるクラブの経営戦略として「育てて売る」というものがあるのはサッカーファンなら誰もが知っていることでしょう。

しかし、それが「正義」「王道」というべきものなのかどうかはまた別の話でもあります。

プロのサッカークラブにとって「選手」は商品であると同時に「資産」でもあり、資産が価値を発揮するのは状況によって異なります。

「資産を保有していること」自体が価値となることもあれば、「資産を売却する時」に初めて価値が生まれることもあるわけですが、セルタが行ってきた選手の売却は能動的な資産の価値化というよりもやむにやまれぬ資産の叩き売りに近いものでした。

しかし例えばデニス・スアレスはセルタから飛び立ったことでサッカー選手として貴重で豊富な経験を積み、バルセローナという世界有数のビッグクラブで主力級のレベルに近い選手として成長することができ、サンティ・ミナもバレンシアに移籍することでチャンピオンズリーグという世界最高峰の舞台でプレーするチャンスを手に入れ、評価を高めました。

正直なところを言えばこの10〜15年間、買い取れなかったダビ・シルバ、アトレティコでブレイクしたジエゴ・コスタ、バルサから請われるまでになったデニス・スアレス、欧州の舞台で躍動するサンティ・ミナを見ながら、僕は忸怩たる思いをずっと抱いてきました。

そのモヤモヤした気持ちは、もはや「嫉妬と羨望」だったと言ってもいいでしょう。

本当ならセルタにいるはずだった選手達がワールドカップで英雄になり、欧州各国から注目されるストライカーとして得点を量産し、次代を担う超新星として評価され、きらめく舞台でゴールを決める。

どれだけ僕たちセルタファンが彼らの経歴を指差し指摘しても、彼らが何かを成し遂げるその瞬間に名前が出るのはセルタ・デ・ビーゴではなかったのです。

その彼らのうち、セルタで育ち、セルタが育てようとしていた2人が帰ってきてくれた。その2人を取り戻すことができたというのはセルタファンにとってこの数年間で最も幸福な瞬間を迎えられていると言っても過言ではありません。

もちろん、デニス・スアレスもサンティ・ミナもこのままセルタで引退するまでプレーするなどということは恐らく無いでしょう。

それでも本来だったら共に過ごせるはずだった時間の一端を、少なくとも数年間は取り戻すことができるのです。

SNS界隈でデニス・スアレスとサンティ・ミナの復帰をほぼ全てのセルタファンが諸手を挙げて無条件で歓迎しているのは上記のような理由があります。

負債がほぼ解消された今、ようやく口にできる「失った時間を取り戻す」という言葉の重みを、セルタとビーゴの町は噛み締めています。

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