セルタはウェスト・ハムから3,200万ユーロの提示を受けるも拒否と報道
FARO DE VIGOの報道によるとイングランドのウェスト・ハムがセルタに対し、マキシ・ゴメス獲得のために3,200万ユーロ(約38億9,000万円)の移籍金を提示したものの、セルタはこのオファーを断ったとのことです。
ビーゴではこのようにウェスト・ハムからのオファーをセルタが断ったと報じられている一方、イングランド・スカイスポーツの報道によると「セルタが2,900万ユーロ(約35億2,000万円)のオファーを受け入れた」とも報じられているようで情報が錯綜しています。
前回の記事「【セルタ】サンティ・ミナとマキシ・ゴメスの交換トレードについて協議」でも書いた通り、マキシ・ゴメスを巡ってはセルタ(=サンティ・ミナの獲得)とバレンシア(=マキシ・ゴメスの獲得)の両者が思惑の面では一致しています。
今日のFARO DE VIGOの報道では、ミナの移籍希望をバレンシアは既に受け入れて容認の姿勢を見せているとも言われているため、条件さえ整えばセルタとバレンシアの間で双方満足な移籍が成立可能性が高いのですが、ただ1つネックになるのがマキシ・ゴメスの移籍金の額です。
FARO DE VIGOの記事ではバレンシアはマキシ・ゴメスの移籍金として1,500万ユーロ(約18億3,000万円)以上を支払う意思は無いとも伝えられており、マキシ・ゴメスの市場価格として噂されている5,000万ユーロ(約61億円)とは大きな開きがあります。
現時点では交渉内容においてセルタが有利な立場?
セルタはバレンシアに対して最低でも2,500万ユーロ(約30億5,000万円)の支払いを求めており、セルタ側の要望とも開きがあるという点が現時点での交渉課題になっているというのが目下の状況です。
セルタの思惑と立場
マキシ・ゴメスの移籍が成立した場合、セルタはマキシ・ゴメスの前所属先であるウルグアイのデフェンソールに連帯育成金(トランスファー・コンペンゼーション込)として1,000万ユーロ(約12億円)を支払う必要があります。
セルタとバレンシアのマキシ・ゴメスに関わる移籍金の開きはまさにこの1,000万ユーロとなっており、セルタとしてはマキシ・ゴメスの売却とミナの買い戻し両方を実現しつつ、デフェンソールへの連帯育成金支払いにおいて赤字を出したくないというのが本音です。
上記の現状を考慮すれば、イングランドで報じられているスカイ・スポーツの報道「ウェスト・ハムの2,900万ユーロ(約35億2,000万円)でのオファーをセルタが受け入れた」という内容にはうなずける部分も出てきます。
少なくとも2,900万ユーロと言われるウェスト・ハムのオファー金額はバレンシアのそれよりも400万ユーロ高く、サンティ・ミナの移籍金1,000万ユーロを支払って獲得した上で、デフェンソールへの連帯育成金1,000ユーロを支払っても税引前で900万ユーロ(約10億円)が手元に残ります。
バレンシアの立場と最悪のシナリオ
ウェスト・ハムのオファーを仮にセルタが受け入れたとしても、サンティ・ミナが出場を求めて移籍を希望している事実は変わらず、マルセリーノ・ガルシア監督の起用法が変わらない限りミナが希望する出場機会は訪れないという状況に変化はないと考えられています。
この場合マキシ・ゴメスを獲得できずスペイン代表FWロドリゴ・モレーノが移籍し、なおかつミナがセルタに移籍してしまうと、少なくともFWを巡る移籍オペレーションではバレンシアの一人負け状態になってしまうことは明白で、この可能性をバレンシア首脳陣がどのように考えるのかも鍵になりそうです。
いずれにしてもマキシ・ゴメスの移籍に関しては、今のところセルタが最も有利な立場にいることは間違いありません。
1人のセルタファンとしてはせっかくなら5,000万ユーロ満額を支払ってくれるクラブへの売却を実現し、資金的な余裕を少しでも持って欲しいというのが本音ではあるのですが、移籍の交渉事は水物であることは疑いようのない事実です。
がめつく条件を縛ってしまい、結局最終的にセルタだけが損をする事態だけは避けなければならないため、今回の移籍オペレーションに関してはスポーツ・ディレクターであるフェリペ・ミニャンブレスだけではなく、セルタ・デ・ビーゴの経営陣全体としての経営判断が必要になるのではないか、と僕は考えています。