チームへの貢献を高く評価されている香川
ラ・リーガ・スマートバンク(セグンダ・ディビシオンA)のレアル・サラゴサでプレーする日本代表MF香川真司の評価はスペインで着実に上っているようです。
8月の開幕直前にサラゴサへの移籍が突然発表された香川については、当初コンディションの面から見てチームにフィットするのに相応の時間が必要になるだろうとの見方が大半を占めていました。
サラゴサを指揮するビクトル・フェルナンデス監督ですら「数ヶ月プレーしていなかったことを考えれば彼には時間が必要だろう」と語っていたことからも、サラゴサというクラブ自体が香川を獲得したものの戦力としてチームに貢献できるのはコンディションが整ってからだろうと考えていたことがわかります。
しかし蓋を開けてみれば開幕戦から試合に出場し、第5節終了時点で2ゴール。
ホーム、ラ・ロマレーダでもゴールを決めてサラゴサの地元ファンから大きな信頼を勝ち取り、その評価を高めつつあります。
スペインメディアの香川評
スペイン現地時間9月18日、スペイン最大のスポーツ紙MARCAは香川が周囲の予想を覆す形で結果を残しており、コンディションが上がってくるにつれて今よりも調子をあげていくだろうと予測する記事を掲載しています。
記事の中でMARCAは
突然の驚くべき移籍であったことから、周囲には彼のコンディションを疑問視する声がいくつかあったのは事実だ。
しかし、実際には直近の2試合で彼のフィジカルコンディションは予想以上に良くなってきていることを彼自身が証明している。
とコメントし、8月26日のポンフェラディーナ戦でのゴールに引き続き、第5節のエストゥレマドゥーラ戦でも相手を突き放す2点目を決めた香川が徐々にコンディションを上げてきていることを解説しています。
香川は最初の3試合を残り20分というタイミングで交代によりピッチを後にしていた。
この日本人選手は1試合をフルにプレーするだけのリズムを取り戻すためにもう少し時間が必要だろうと思われていたが、練習を通じてコンディションを真面目に調整し続け、既に90分通じてプレーできる体力レベルを取り戻しているように感じられる。
開幕後の3試合と直近の2試合では明らかに体の動きが良くなっている香川についてMARCAは上記のように報じ、現在のコンディションであれば90分フルに出場することも不可能ではないだろうと予測しているようです。
もともと今週はセグンダAでは2試合が予定されていましたが、MARCAは過密日程であることを理由にビクトル・フェルナンデス監督が先発選手のローテーションを組むのではないかと予想していました。
しかし、対戦相手のフエンラブラーダにトラブルが発生。
結局水曜日に行われる予定だったサラゴサの第6節は延期されることが決まったため、週末の試合にはローテーション無しで再び香川がスタメンに名を連ねると予想されています。
フエンラブラーダ対サラゴサの第6節は10月16日に開催へ
週明けにフエンラブラーダの選手達を襲った集団食中毒の影響で、第6節として開催予定だったフエンラブラーダ対サラゴサの一戦は延期されることが決まっていました。
この試合延期によってサラゴサは第5節と第7節を2週連続でホーム、ラ・ロマレーダで戦うことができることになります。
フエンラブラーダの選手達に起きた食中毒の原因ははっきりと報道されてはいませんが、集団食中毒ということはクラブの施設内で取った食事かあるいは飲料に何らかの問題が起きたと考えるのが自然でしょう。
例えばプリメーラ・ディビシオンのクラブであれば、クラブハウスに専用の厨房を完備しシェフを置き、クラブが雇った栄養士に計算・計画させたメニューで選手に食事を取らせることも現実的にありえる話ではあるのですが、セグンダAのフエンラブラーダのように小さなクラブでそこまでの設備や予算をかけられているとは僕には思えません。
例えばクラブ主催のイベントや食事会、もしくは練習中の飲料などに何らかのトラブルがあったのではないでしょうか。
真相はさておき、このフエンラブラーダ−サラゴサ戦の代替開催日は10月16日で両チームからスペインプロリーグ機構に提案されており、今のところは開催に問題がなさそうな日程であるためそのまま承認される可能性が高くなっているとのことです。
後回しになっただけとはいえ、香川個人のコンディション調整のことだけを考えた場合はこの試合が後日となったことでより良いコンディションで第7節のデポルティーボ・ルーゴ戦を迎えることができるようになります。
トップ下としてサラゴサの攻撃をリードし始めている香川に2試合連続となるゴールが生まれるのかどうか。
現地時間9月21日の午後18時にキックオフされる試合は、改めて注目する必要がありそうです。