グリーズマンの移籍先はバルサか?
アトレティコ・マドリーのフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンが、2014年から5年間在籍したアトレティコ・マドリーを退団する意思をクラブに正式に伝えました。グリーズマンには2年前から移籍の噂が流れており、毎年シーズンオフには数々のクラブ名が移籍先候補として上がっていましたが、とうとう移籍の決断を下したようです。
.@AntoGriezmann: “Han sido cinco años increíbles; muchas gracias por todo, os llevo en el corazón”. pic.twitter.com/9XorY05u1T
— Atlético de Madrid (@Atleti) 2019年5月14日
アトレティコ・マドリーの公式Twitterアカウントでグリーズマンはファンに向けたメッセージを発表しています。アトレティコはラ・リーガ最終節をアウェーでレバンテと対戦することになっており、今シーズンはもうホームであるワンダ・メトロポリターノでプレーすることがありません。Twitterで別れのメッセージを公開したのは、ウルグアイ代表DFディエゴ・ゴディンの退団セレモニーが第37節のホームゲームで行われることを尊重してのことだったのでしょう。
グリーズマンとゴディンは特に仲がよく、ゴディンがグリーズマンの子供の名付け親だとして知られています。37節の試合前、誰よりも早くスタジアムに到着したグリーズマンはアトレティコのユニフォームを着た状態でスタジアム入りし、その背中にはゴディンの背負う「背番号2」とゴディンの名前が入っていました。親友であり子供の名付け親であるゴディンへの最大限の敬意を表したということなのでしょう。
スペイン国内の各メディアによる報道ではバルサ移籍の可能性が最も高いと言われており、事実だとすればバルサはリオネル・メッシ、ルイス・スアレスと組ませる前線の柱を手に入れることになります。
グリーズマンのメッセージ
グリーズマンはメッセージの中でファンに向けて次のように語っています。
「チョロ(シメオネの愛称)とミゲル・アンヘル(ヒル・マリン理事長)、それから他のクラブスタッフとは話した。後はファンの皆に向けて一言言いたかった。君たちは私にいつも最大限の愛情を注いでくれた。この夏に私がここを去ることは自分にとって必要なことだと感じているのだということを知ってほしい。
ここにいる間に君たちが与えてくれた愛情に対して最大限の感謝を捧げたい。私はここでクラブにとって最初の重要なタイトルのいくつかを勝ち取ることができた。その全てが忘れられない思い出だ。君たちのことはいつまでも覚えていることだろう。心の中にずっと君たちがいることを知ってほしい。本当に信じられないような5年間だった。あらゆるものを勝ち取り楽しむことができたし、ピッチでそれを表現できたと思っている」
蜜月だったアトレティコファンとの関係、そして来季へ
アトレティコのファンはスペインの中でも1,2を争う愛情深いファンであることが知られています。2000−2001シーズン開幕前、セグンダAに降格していたアトレティコは、深刻な経営難に直面していました。しかしプリメーラ・ディビシオン在籍時よりも多くの年間チケットを購入することでクラブの財政を少しでも助けようとしたファンは、結果的にセグンダA降格にも関わらず前年度よりも多くの年間チケットを購入。これによりクラブへの愛情と忠誠心の高さをスペイン中に示したのです。
悪いプレーをすれば容赦なく指笛とブーイングを浴びせることでも知られますが、次の試合では変わらず以前と同じ声援を送り好プレーには全身全霊で称賛する。前スタジアムであるビセンテ・カルデロンはそんなアトレティ達とクラブが作り上げる独特な劇場的雰囲気を併せ持っていました。
マンサナーレス川を臨むあのビセンテ・カルデロンでプレーし、その魅力に勝てる選手はそう多くはないでしょう。グリーズマンもその1人だったということの現れだと言えます。
正式発表があるまでグリーズマンが来シーズンどの国のどのクラブでプレーすることになるのかはわかりません。しかし、グリーズマンがファンのことを「忘れない」と言ったように、ファンたちもヨーロッパリーグ優勝やUEFAスーパーカップ優勝をともに勝ち取ったグリーズマンのことを決して忘れることはないでしょう。