- ジェイソン・ムリージョの加入記者会見
- 記者会見内容
- バルサ時代にチームメイトだったデニス・スアレスやラフィーニャと移籍について何か言葉を交わしたのか?
- ガラタサライなど他のクラブもあなたの獲得を狙っていたと言われているが、言葉の問題は今回の決断に影響を与えたのか?
- 「チームメイトをリードする」と発言したが、期せずして監督も「ピッチ上でのリーダーシップが足りていない」という意図の発言をしている。ロッカールームやピッチであなたの経験を活かしてリーダーの役割ができると考えているか?
- ミニャンブレスSDはセンターバックとしてのあなたの特徴はスピードだと発言した。DFとしてあなたがチームにもたらすことができるのは何だと考えているか?
- 今回の移籍はシーズン終了までのレンタルだが、セルタに正式加入した今、今後もスペインに留まりたいと思うか?あるいはシーズン終了後にはイタリアへ戻ることになるのか?
- すでにビーゴで過ごした数日を経て、クラブとして、また1選手としてシーズン終了時に成し遂げたいと思う目標があれば教えてほしい。
- あなたは長年ラ・リーガでプレーしている。当然セルタとの対戦経験もありセルタの選手についても知っていると思う。前半戦を終えた現在の順位、勝ち点15しか取れていない現状についてどう思うか?
- ガラタサライからもオファーがあったことが知られている。スペインに戻るにあたり、バルサやバレンシアでタイトルを獲得したものの決して100%満足のいく個人的結果ではなかったと思うが、そういったこともセルタを選択した理由の一つなのか?
- ジェイソン・ムリージョ記者会見の感想
ジェイソン・ムリージョの加入記者会見
2020年1月16日、セルタ・デ・ビーゴはクラブ事務所でコロンビア代表DFジェイソン・ムリージョの加入記者会見を行いました。
今回の記事ではセルタ公式メディアに掲載されたムリージョの記者会見の様子を翻訳した内容をご紹介します。
記者会見内容
記者会見中にメディアから出た質問と、ムリージョ本人の回答に分けて掲載していきます。
バルサ時代にチームメイトだったデニス・スアレスやラフィーニャと移籍について何か言葉を交わしたのか?
まず、私の記者会見に集まってくれたメディアの皆さんに敬意と感謝を表します。
質問に対する回答ですが、ご指摘のようにセルタには私が在籍したいくつかのチームで共にプレーした仲間がいます。もちろん今回の移籍にあたって、自分自身がどこに向かって進むべきなのかということについて何度か話をしました。
様々な意味でのチーム状況を知るためにいくつか確認をしたのは事実です。もちろん私は彼らに深い信頼を寄せていますが、クラブとしてどのような意図を持っているのか、セルタが現状に対して何が足りないと考えていて、クラブとしての立ち位置をどう考えているのかなどを知りたかったので、それについて話を聞きました。
ガラタサライなど他のクラブもあなたの獲得を狙っていたと言われているが、言葉の問題は今回の決断に影響を与えたのか?
もちろん、どこへ行くにしても言葉の問題は重要な要素の一つです。
チームメイトをリードするにしても、自分の考えを正確に伝えコミュニケーションを円滑にするためにも同じ言語を話せるということは極めて重要なことですから。
当然のことながら自分の母国語と同じ言葉を話すリーグでプレーするということは自分の力を発揮する上で助けにもなりますし、またその環境を私自身も活かすことができます。
「チームメイトをリードする」と発言したが、期せずして監督も「ピッチ上でのリーダーシップが足りていない」という意図の発言をしている。ロッカールームやピッチであなたの経験を活かしてリーダーの役割ができると考えているか?
私の経験をチームに還元して仲間を鼓舞することはもちろんできると思っています。
ただし、それは個人にできることのごく一部でしかないと思います。私が考えているのは自分の経験を仲間に伝えながら、チーム全体で状況を良くしていくということ。
チームがチームとして最良の状態になれるよう仲間を助け、一つの集団としてより良い状況を作ることが最善のことだと考えています。
ミニャンブレスSDはセンターバックとしてのあなたの特徴はスピードだと発言した。DFとしてあなたがチームにもたらすことができるのは何だと考えているか?
私はこのリーグで初めてプレーするわけではありませんし、多くのファンや選手が私の特徴を良く知っていると思います。
とはいえ、個人の能力でできることにはもちろん限界がありますし、自分の特徴を活かしてチームメイトを手助けし、コミュニケーションを取りながらお互いの身体的特徴を最大限に引き出してピッチの中で最良のパフォーマンスを見せることが最も重要だと思っています。
今回の移籍はシーズン終了までのレンタルだが、セルタに正式加入した今、今後もスペインに留まりたいと思うか?あるいはシーズン終了後にはイタリアへ戻ることになるのか?
今はこのチームに加入したばかりですし、そういったことは少しずつ明らかになっていく種類のものだと思います。
チームとしてもいくつかの事柄を変えるプロセスの最中だと認識していますし、セルタの選手としてプレーしていく中で将来的にどのような選択肢があるのかがわかってくるでしょう。
すでにビーゴで過ごした数日を経て、クラブとして、また1選手としてシーズン終了時に成し遂げたいと思う目標があれば教えてほしい。
誰もがわかっていることですが、チームが置かれた現状を考えれば、順位表で可能な限り上に行けるようにすることが重要です。
先程も言ったようにチームとして改善すべき点がいくつかあるわけですが、所属する選手の実力や顔ぶれからすればそれは十分に可能なことだと考えています。
あなたは長年ラ・リーガでプレーしている。当然セルタとの対戦経験もありセルタの選手についても知っていると思う。前半戦を終えた現在の順位、勝ち点15しか取れていない現状についてどう思うか?
それはここにいる誰もが疑問に思う点だということは理解しています。これだけの質の高い選手を抱えたチームが現在の順位に甘んじているのが妥当なことだとは言えないでしょう。
しかし状況を改善するための時間はまだ残されていますし、所属選手の実力を考えれば状況の改善は十分に可能です。そして選手一人一人がそのために最善を尽くすことが必要だと思います。
ガラタサライからもオファーがあったことが知られている。スペインに戻るにあたり、バルサやバレンシアでタイトルを獲得したものの決して100%満足のいく個人的結果ではなかったと思うが、そういったこともセルタを選択した理由の一つなのか?
ラ・リーガに戻れたこと、そしてセルタの一員になれたことに満足しています。
セルタがどんなクラブで、クラブがどんな意味を持つのかはわかっているつもりです。ガラタサライからオファーがあったのは事実ですが、自分の中では別の選択肢(セルタ移籍)がありました。
セルタに移籍すること、スペインに戻ることを決めたのはより良い決断だったと思います。
ジェイソン・ムリージョ記者会見の感想
ある一定レベル以上の社会経験(種類を問わず)を積んだコロンビア人は、非常に洞察力に優れ言葉を慎重に選ぶ傾向があります。
これは7年間に渡る僕の南米生活の中で経験則として学んだことです。
その経験に基づいてジェイソン・ムリージョの記者会見を見てみると、彼の言葉遣いや仕草は他者への敬意に満ちており、「軽い人間ではない」だろうということがわかります。
セルタ・デ・ビーゴというクラブは、昔から人間性に難のある選手をあまり獲得することがありませんでした。(アレクサンデル・モストヴォイのような特殊な例はありましたが)
ムリージョの記者会見での発言を聞いていると、上記の慣例のようなものは現在も続いているのだろうと考えて良さそうです。
南米の中でも特にコロンビア人は国として歩んできた様々な歴史を通じ、家族や仲間といった自分周辺の人間関係をとても大切にする傾向が強い国民性を持っています。
その意味ではムリージョは「良いチームプレーヤー」としてセルタに好影響を与えられる可能性を持った選手だと思いますし、少なくとも記者会見での発言を聞いている段階ではファンとして彼に期待できることは少なからずあるのだろうと感じました。
約10年間に渡りスペインでプレーした経験を持つムリージョは、恐らくスペイン人のファンがクラブに所属する選手に対してどのようなことを求めるのかを理解しているはずですし、発言の数々からもそれがうかがい知れます。
後半戦を巻き返し、一日でも早く降格という最悪の結果を心配せずにいられる順位まで上がるために、彼が力を発揮してくれることを願って止みません。