バレンシアはコパ・アメリカ後にマキシ・ゴメスの移籍を加速させる意向?
連日お伝えてしている通り、セルタとバレンシアの間でウルグアイ代表FWマキシ・ゴメスを巡る駆け引きが行われています。
コパ・アメリカ2019に出場するウルグアイ代表は現地時間24日月曜日にグループリーグ最終戦を戦い、グループリーグ突破を決めるべく準備を進めている最中。
マキシ・ゴメスはウルグアイ代表監督オスカル・ワシントン・タバレスが考えるFWの序列では最後尾に位置しており、ここまでのグループリーグ2試合ではいずれも出場がありません。
セルタとしてはコパ・アメリカでマキシ・ゴメスが活躍し、市場価格として設定されている移籍金5,000万ユーロの根拠を示したいところですが、いまのところセルタの思惑通りには状況が推移していません。
これは逆に考えるとバレンシアにとっては都合のいい状況だと言えます。
「コパ・アメリカで出場機会がなかった選手に5,000万ユーロは高すぎる」
という価格交渉の材料として使えるからです。
スペイン最大のスポーツ紙MARCAはコパ・アメリカでのウルグアイの戦いぶりとマキシ・ゴメスの出場時間が、セルタとバレンシアの移籍交渉を長引かせる可能性があると指摘しています。
ウルグアイはコパ・アメリカのグループリーグ突破がほぼ確実で、このままいくと6月29日の準々決勝、7月4日の準決勝、そして7月7日の決勝を戦う可能性がるため、仮にウルグアイがコパ・アメリカの決勝まで勝ち進んだ場合はマキシ・ゴメスも7月7日まで代表チームに集中することになるわけです。
移籍に関わる契約内容の取りまとめや細かい交渉事などは当然代理人が行うことになるでしょうが、代理人としても自分の取り分を確保するための条件交渉はおろそかにするはずがなく、そのためにもマキシ・ゴメスとの打ち合わせは必要なはずです。
となると、少なくとも6月29日までは代理人とマキシ・ゴメスとの間にも移籍に関する細かい話し合いが行われない可能性もあり、このことからMARCAはマキシ・ゴメスの移籍が大きく進展するのはコパ・アメリカ終了後か、ウルグアイが敗退してからになるだろうと予測しています。
より柔軟に動けるのはやはりセルタか。
バレンシアのほうがマキシ・ゴメスの移籍にこだわりを強く持っていると僕が考えているのはこれまでの記事でも書いた通りです。
「高く売りたい」というこだわりを持っている点ではセルタもマキシ・ゴメスの移籍に関してこだわっていますが、そもそもマキシ・ゴメスの契約期間はあと1年残っており、満足の行く金額を提示できるクラブがなければセルタはマキシ・ゴメスを売却しない可能性があります。
前線とディフェンスラインに補強が必要な状況は変わりませんが、セルタにとって例えばバレンシアのサンティ・ミナは「喉から手が出るほど欲しい」選手なわけでもありません。
そのセルタは着々と補強選手のリストアップを進めており、今度はバルセローナからイングランドのアーセナルにレンタルされていたデニス・スアレスの獲得を巡ってバレンシアと競合することになっています。
デニス・スアレスはバルサからビジャレアルに完全移籍した後、ビジャレアルでの好パフォーマンスを評価され、再びバルサに復帰したものの結局アーセナルへレンタルで移籍。
バルサはバルサで中盤に続々とタレントが揃ってきているため、来シーズンもデニス・スアレスの出番はさほど増えないのではないかと言われている中で、本人は年俸が下がってでも出場機会を得られるクラブへの移籍を求めていると言われています。
そんな中、バレンシアのマルセリーノ・ガルシア監督はクラブに対してデニス・スアレスの獲得に向けて動いて欲しいと要望を出し、同時にセルタはバルサへ正式にデニス・スアレスの獲得オファーを出したとEl Desmarqueが伝えています。
元々デニス・スアレスはセルタのカンテラ出身でもあるため、セルタにとってもデニス・スアレスにとっても不都合は全くありません。
面白いのはセルタもバレンシアもデニス・スアレスの獲得に興味を示しているという点でしょう。
単純にバレンシアのマルセリーノ監督とセルタのフラン・エスクリバ監督の趣味が似通っているのか、それとも目指すチーム構成が似ているのか。
あるいは2016−2017シーズンにビジャレアルの監督を務めたエスクリバが「デニス・スアレスが残っていれば・・・」と思っていたのかもしれません(デニス・スアレスは2017−2018シーズンにバルサへ復帰)。
移籍に絡む動きにおいて、資金力のあるクラブと正面から戦って勝てるような力はセルタにはないので、セルタファンの僕としてはどの移籍であっても常に生暖かい目線で見るようにしているのですが、このオフシーズンは行く先々にバレンシアが出てくるのでこれはこれでどう推移するのか楽しんで見ています。