【セルタ】ラフィーニャの加入で生じるいくつかの問題

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「想定外」だったラフィーニャの加入

スペイン現地時間9月3日の移籍期間最終日にレンタルでバルセローナから加入したMFラフィーニャ。

2013−2014シーズンにもセルタでプレーしていた過去と、カンテラ出身者ということもあり大前提としてクラブもファンも選手も全員がラフィーニャの”帰還”を喜んでいるのが事実です。

とはいえ、このラフィーニャ加入が少なからず「想定外」だったこともまた一つの真実ではあります。

プレシーズンにおけるセルタ経営陣最大のミッションは「マキシ・ゴメスの売却と並行してサンティ・ミナの獲得を実現する」というものでした。

もともとバルサ退団が濃厚だったデニス・スアレスと違い、サンティ・ミナの場合はバレンシアガ2018−2019のコパ・デル・レイに優勝しなおかつチャンピオンズリーグへの出場も決まっていたため、ハイレベルな試合への出場機会が得られるバレンシアでのチャンスを捨てるのかどうかがネックになると見られていました。

幸いなことにセルタのFWイアゴ・アスパスが、今では「影のスポーツディレクター」と呼ばれるほどの動きを見せ、連日連夜ミナにメールや電話でセルタに戻ってくるように勧誘。

その結果ミナは最終的にセルタ復帰を決心し、セルタがクラブとして推進する「帰還事業」は実質的に終了したと思われていました。

もうひとりのカンテラ出身者であるMFパペ・シェイクのレンタル加入は負傷者続出による緊急避難的なものだという見方が強いものの、そもそもセントラルMFにはもう1人獲得する必要性がありました。

そのためたまたまカンテラ出身のパペをお得にレンタルで一時的に取り戻したという結果になっただけで、このことに関しては特に大きな議論を呼ぶこともなかったのです。

しかしラフィーニャの場合は当初の獲得予定選手としては考えられておらず、プレシーズン中にラフィーニャの去就が取り沙汰されることはあってもそこでセルタ復帰の道が濃厚とは考えられていませんでした。

これは第三者的に見てもセルタにしてみても同様で、実際プレシーズン中にラフィーニャ獲得に向けて具体的な交渉が継続して行われてきたという報道は見られていません。

移籍期間の終了が近づくにつれて変わっていったのであろうバルサ内部の状況を見たうえでラフィーニャ本人の意思がバルサ離脱に傾いていき、それを察知したセルタが(おそらくアスパスを使って)ラフィーニャとバルサにダメ元で声をかけたというのが実際のところではないかと僕は思っています。

つまりこのラフィーニャ加入はある意味でセルタの関係者全員にとって予想外の展開だったのだと考えられるのです。

フラン・エスクリバの想定メンバー

ラフィーニャ加入決定前の段階でセルタは既にリーグ戦3試合を消化しており、結果は既にお伝えしている通り1勝1分1敗の勝ち点4というスタートを切っています。

出場メンバーはほぼ共通しており、プレシーズンで負傷していたDFウーゴ・マージョとFWサンティ・ミナが復帰してほぼベストメンバーが揃ったと考えていいでしょう。

唯一フラン・エスクリバ監督が苦慮しているのがセントラルMFの組み合わせでしたが、負傷していたトルコ代表MFオカイ・ヨクスルは回復傾向にあり、トルコ代表にも選出され母国のメディカルスタッフにもケアされることを考えると、第4節以降の早い段階で中盤も含めたベストメンバーが揃うことになるのは明らかです。

その場合に考えられるスタメン11人は

GKルベン・ブランコ

DFウーゴ・マージョ
DFネストル・アラウホ
DFジョセフ・アイドゥー
DFルーカス・オラサ

MFスタニスラフ・ロボツカ
MFオカイ・ヨクスル
MFデニス・スアレス
MFブライス・メンデス

FWサンティ・ミナ
FWイアゴ・アスパス

というメンバーになることが濃厚で、中盤にフラン・ベルトランorケビン・バスケス。FWにトロ・フェルナンデスorイケル・ロサーダ、DFにホルヘ・サエンス、ダビ・コスタス、中盤兼任でケビン・バスケスというバックアップが控えることになるはずです。

ラフィーニャ加入で起きる「問題」

フラン・エスクリバとしては基本フォーメーションを4−4−2で考えていることはプレシーズンマッチからも明らかで、ここにラフィーニャが加入してくるとメンバー選考においてフラン・エスクリバは課題を抱えることになります。

端的で現実的な言い方をすると、デニス・スアレスとサンティ・ミナがセルタに戻ってきたのは「試合に出られるから」です。

そしてラフィーニャも出場機会を求めてバルサ離脱を決心しているわけですから、わざわざレンタルで加入して控えとしてベンチに座り続けるつもりはサラサラ無いでしょう。

左サイドのデニス・スアレスは動かせない存在として既にこの3試合で重要性が明らかになっています。

幸いにもラフィーニャの主戦場は右サイドですから、デニス・スアレスとポジションが被ることもなくその点では問題はありません。

FWとして起用しようとした時にもイアゴ・アスパス、サンティ・ミナ、トロ・フェルナンデスの誰とでも比較的問題なくコンビネーションを作ることができるはずなのでこの点も問題はありません。

最も問題になるだろうと思われるのは、ラフィーニャ本人のポジションである右サイドMFとして起用する場合です。

ブライス・メンデスかラフィーニャか

現在までのところセルタの右サイドMFはスペイン代表MFブライス・メンデスがレギュラーとして考えられています。第2節バレンシア戦、第3節セビージャ戦いずれの試合でもブライス・メンデスは非常に効果的なプレーを見せており、コンディションが上がってきていることもよくわかります。

本人も自身を深め、開幕前にバイエルン・ミュンヘンからのオファーが届いたという噂に関しても自身で一蹴。

「セルタで可能な限り長くプレーしたい」

と社交辞令ではあるでしょうが、自らの立場と希望を公に述べています。

このポジションにラフィーニャが加入したことで生じてくる可能性が「ブライス・メンデスか、それともラフィーニャか」という選択です。

これはスタメンであろうと控えであろうと変わらず、どちらをスタメンで使うのか。あるいはどちらをどう交代出場させるのかという悩みをフラン・エスクリバにもたらすことになるでしょう。

当面の「指定席」はブライス・メンデスか?

昨シーズンから起用を続け、なおかつプレシーズンから右サイドの第一選択肢として考えられてきたブライス・メンデスは攻守にバランス良く動き、ポジション取りも適切です。

左サイドでセンターラインより敵陣寄りのピッチ4分の1を自由に動き回ることを認められているデニス・スアレスとの関係性を考えれば、よりバランス良くプレーできるブライス・メンデスの存在はフラン・エスクリバにとって守備面でも安心感を与える存在だと僕は考えています。

実際に第3節セビージャ戦で、それまで守備面で不安があると思われていたフラン・ベルトランがそれまで以上に効果的なプレーを披露できたのは、ブライス・メンデスが前に出すぎず適切なポジションを保ったうえで必要に応じてフラン・ベルトランのサポートを行っていたからにほかなりません。

スタニスラフ・ロボツカは間違いなく能力の高いセントラルMFですが、例えば20年前のクロード・マケレレやペテル・リュクサン、あるいはエベルトン・ジョヴァネーラやマジーニョのように1人で中盤の守備とビルドアップをこなすには現在のサッカーは複雑になりすぎています。

「5レーン理論」を軸に組み立てられることが多い現在の戦術では、セビージャ戦で見せたようなフラン・ベルトランとブライス・メンデスのような関係性がチームとして必要で、その意味ではラフィーニャもチーム戦術にはおそらくフィットするはずなのですがその場合に中盤の守備面を考えると、単純にブライス・メンデスとのトレードオフが成立するのかという議論が起きるはずです。

おそらくフラン・エスクリバとしてはオカイ・ヨクスルの復帰を待ってまずはフラン・ベルトランをオカイ・ヨクスルに変更したフォーメーションを採用。

その際の右サイドにブライス・メンデスを起用してラフィーニャを交代で使いながら様子を探り、クリスマス休暇前後で必要に応じてフォーメーションの変更や手直しを行っていくという感じでチーム作りを進めていくのではないかというのが僕の個人的な予想です。

ただし強調しておきたいのは、これは決してネガティブな話ではなく、どこからどう考えてもポジティブな悩みであることは明らかです。

近年のセルタでこれだけの実績とクオリティーを持った選手たちが揃ったことはありませんでした。

久々にロマンあふれる想像力を掻き立ててくれるチームになりかけているセルタは、この先どう歩んでいくのでしょうか。

今シーズンへの過度な期待は、したくないのに否が応でも高まるばかりです。

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