ホームでバレンシアに勝利し、今シーズン初勝利を飾ったセルタ
スペイン現地時間8月24日、午後21時にキックオフされたラ・リーガ・サンタンデール第2節でセルタ・デ・ビーゴはバレンシアに1-0で勝利しました。
この勝利によってセルタは今シーズンの初勝利を飾り、勝ち点3を獲得しています。
開幕戦のレアル・マドリー戦からの変化はスターティングメンバーでセンターバックのダビ・コスタスが新加入のガーナ代表DFジョセフ・アイドゥーに代わったのみ。
キャプテンのDFウーゴ・マージョとFWサンティ・ミナは負傷から回復しベンチ入りはしていましたがスタメン起用は見送られていました。
開幕戦とは違い、サイドを広く使うことで引き続きスタメン出場したウルグアイ人FWトロ・フェルナンデスを頂点にし、イアゴ・アスパス、ブライス・メンデス、デニス・スアレスの3人が流動的にボールを動かしながら前に出ていくという今シーズンの狙い通りにプレーできたセルタは14分にデニス・スアレスのアシストからトロ・フェルナンデスがラ・リーガ初ゴール。
25分以降はバレンシアに中盤を制圧されそうになりながらもDFジョセフ・アイドゥーとネストル・アラウホ、GKルベン・ブランコの3人がなんとかバレンシアの攻撃を食い止めることに成功し、後半開始に向けて立て直すことに成功しました。
持ち直したセルタは2点目を奪えそうな気配を漂わせつつも追加点のないまま試合は進んでいき、負傷開けのサンティ・ミナ、開幕ギリギリでレンタル加入したMFパペ・シェイク、そしてDFウーゴ・マージョを立て続けに投入。
特にパペ・シェイクが出場してからは中盤の守備が安定し、今後の起用法に大きな光明が見える結果となりました。
終了間際にはデニス・スアレスのドリブル突破がペナルティエリア内でのファウルで止められセルタにPKが与えられたものの、バルセローナから今シーズン開幕前にバレンシアに加入したオランダ代表GKイェスパー・シレッセンがこのPKを見事にストップ。
追加点は奪えなかったものの、最終的には1-0でセルタが勝利することになりました。
フラン・エスクリバ監督の試合後コメント
昨シーズン最終節で受けた退場処分の影響で第2節までベンチ入り禁止処分を受けていたセルタのフラン・エスクリバ監督はスタンドから無線でスタッフを通じてバレンシア戦を指揮。
試合後の記者会見に「非常に満足だ」というコメントと共に登場しています。
チームとして勝利のために最大限の努力をしてくれたと思っているし、非常に高いレベルでプレーすることができていた。監督としてこれ以上満足できることはない。
試合としてはグループとして勝利することができた試合だと考えている。誰一人として悪いプレーがなかった。選手個々人のプレーと彼らの状態を考えても、この試合は全員で勝ち取ったものだと言えるだろう。
前日会見では開幕の3連戦を勝ち点ゼロでスタートする可能性もあると指摘されていたが、そういった話には興味がなかった。ラ・リーガは世界で最も実力が拮抗したリーグの一つだし、どのチームもどこに対しても勝利できる力を持っている。
セビージャに対しても我々は勝利することを目指して向かうし、今日のようなプレーができればセビージャにとって難しい相手として立ち向かうことができるはずだ。
バレンシア戦を無失点で終えることができたことにはとても満足しているし、彼らのように素晴らしい中盤を持つチーム相手にチャンスを作れたことにも満足だ。フラン(ベルトラン)とロボツカもチームのために素晴らしい試合をしてくれた。
バレンシアは最も流動的なプレーをするチームの一つだが、今日は我々の中盤のプレークオリティによりその真価を発揮させずに済んだ。
いつまでもネタにしてしまうと気の毒なのでこれで最後にしますが、勝利したこともあってレアル・マドリー戦の試合後コメントよりはるかにポジティブでチーム全体に気を使ったコメントになっていると思えますねw
マルセリーノ・ガルシア監督の試合後コメント
対してバレンシアのマルセリーノ・ガルシア監督は試合後に以下のようなコメントを残しています。
今日に限って言えば、我々の最高レベルでのプレーをすることができなかった。
もちろんビーゴには勝利するために来たと断言できるが、非常に拮抗した流れの試合の中で素早い判断によるプレーがゴールを生んだと言えるだろう。
前半終了までは同点に追いつくチャンスを作れていたが、後半は疲労もあり目的に達することができなかった。
引き分けに持ち込むことは可能だったとは思うし、ゲームスタッツ的には我々のほうが勝っていたことを考えると、セルタのほうが勝利に値したという見方には個人的に同意することは難しい。
自分たち自身にふさわしい試合ができなかった以上、今後の試合に勝利していくためには更に自分たち自身を改善していく必要があるのは間違いない。そのための方策は私自身の中に明確に持っているし、移籍市場もまだ閉まっていないのでそれまでは多少不確実な部分が残ってしまうだろうが、現時点での最適解を導き出しながら続く試合に勝っていなければならない。
一つ言えるのはセルタのようにホームで特に非常に強く、攻撃面で優れたプレーを持つチームと戦うことはいつも困難を伴うということだ。
初勝利がセルタに与える今後の方向性
2019−2020シーズンの日程が発表された際、レアル・マドリー、バレンシア、セビージャと続く3連戦が開幕後に続くと知ったセルタファンの間には少なくない悲観的な見方がありました。
1分2敗や0勝3敗で開幕スタートとなる可能性すら僕は考えていたのですが、幸いにも2試合目でシーズン初勝利を掴み、しかも新加入選手のゴールというおまけと負傷者の復帰。さらには怪我の功名とでも言うべきパペ・シェイクという「発見」まで伴ったこの勝利は、今シーズンのセルタにとって1勝以上の価値があるものだと言えるでしょう。
1つの理由は、これでセビージャ戦に対して多少気持ちの面で余裕をもって臨める効果をもたらしたということ。
もう1つの理由は、プレシーズンから課題だったセントラルMFの補強が”おそらく”うまくいったと思えることです。
攻撃面ではミナが復帰できたため、「今後負傷者が前線に続出しなければ」今の段階で焦ってFWの補強を行う必要はないでしょう。
守備面でもパペ・シェイクが予想以上に成長しており、チームへの順応性に問題ないことが明らかになりつつあるため、トルコ代表MFオカイ・ヨクスルの復帰までにひとまずは中盤のローテーションも組めそうです。
センターバックはジョセフ・アイドゥーとアラウホのコンビで問題なさそうですし、実際にバレンシア戦では最終ラインが落ち着いていたことでフラン・ベルトランとルーカス・オラサ、ケビン・バスケスの3名がそれぞれの特徴を良く活かしたプレーに集中することができていました。
バレンシア戦の様子を見ている限りでは、この試合のフォーメーションや戦略が当面の軸になっていきそうな感じがします。
右サイドバックに関しては月曜日以降のトレーニングでウーゴ・マージョに問題がなければウーゴ・マージョがスタメンに復帰することは濃厚だと思われるので、ここまでテスト的な意味合いも含めて起用されてきたケビン・バスケスをバックアップとして考えることも可能になりました。
期せずして昨シーズンよりも確かに層が厚くなりつつあることはわかったため、負傷者のケアと予防。そして攻撃面での連携強化という本来取り組むべき方向性が定まっていくのではないでしょうか。
次の第3節は鬼門であるラモン・サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦。
バレンシアに引き続き、セルタとはそこそこ縁のあるチーム及び選手との対戦が続きます。
セビージャ戦をなんとか乗り切ることが今シーズンの「残留」という大きな目標への第一歩になると僕は考えています。