【マジョルカ】「ティキ・”タケ”」。久保建英が生み出した新たな造語

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マジョルカ 0-0 アトレティック

9月10日の火曜日に2022年ワールドカップアジア二次予選のミャンマー戦へ出場した後にスペインへ戻った日本代表FW久保建英は、中二日の日程でラ・リーガ・サンタンデール第4節のアトレティック・ビルバオ戦に招集され63分から出場。

試合は双方後半にPKを奪取するもお互いにこのPKを決めることができず、最終的に0−0の引き分けに終わっています。

マジョルカに与えられたPKは久保の個人技によるペナルティエリア内での突破から生まれたもので、このプレーにより久保はホームスタジアム、エスタディ・ソン・モイシュの観衆から拍手をもって受け入れられる結果になりました。

「TIKI-TAKE」という造語

スペイン最大のスポーツ紙MARCAは久保のホームデビュー戦となったアトレティック戦でのプレーを

そこかしこで「TIKI-TAKE」を披露。久保の最初の魔法がシルクハットからPKを取り出した。

と評しています。

MARCAは久保がホームでのデビュー戦において示した「魔法のようなプレー」で観衆を魅了し夢中にさせたと報じ、試合内容的には「”箸によって”もたらされる勝ち点3」に値するものだったとも記事で記載しています。

”箸によって”という表現をMARCAが使っているのは、久保のプレーがそれだけ際立っていたこと。そしてその際立った久保のプレーによって得たPKが決まっていれば、マジョルカがそのまま勝利していたはずではないかという考えが理由でしょう。

スペイン語では「同じ言葉」の繰り返しを極力避けるという表現方法が使われます。

一つの記事内で何度も「久保」という固有名詞を登場させることはむしろ珍しく、「日本人」であったり「日本人選手」であったり「日本代表選手」であったりもします。

その表現方法の一つとして日本食が基本的には箸を使って食されることを比喩として用いたのだと僕は理解しています。

更にMARCAは久保の登場に関して次のように表現しています。

久保はメスタージャで2週間前にデビューを飾った後、(代表に招集されていた)日本からの長旅を終えてチームに合流。ビセンテ・モレーノは試合開始時点では彼をベンチに置いていたが、試合経過とともにまるでシルクハットからウサギを取り出すかのように久保をピッチに送り出した。

しかし、魔法使いはモレーノではなくタケ本人だったようだ。63分にソン・モイシュにピッチに現れた彼は魔法の杖とともにプレーし、人々を何か特別な空間へといざなった。

”何かを持つ”彼をレアル・マドリーが今シーズン持たないということを、彼は示したのだった。

83分にペナルティエリア右サイドでジューリを腰砕けにした「レガーテ」と呼ばれる跨ぎからのドリブルをMARCAは「魔法」とも評しており、久保のプレーによって獲得したこのPKをアブドンが外してしまったものの、直後にアトレティックに与えられたPKをGKレイナがストップしたことで試合が引き分けに終わったと記載。

しかしこの久保のプレーを見るだけでも1試合分の価値があったと伝えると同時に、この試合を見た後味はマジョルカの年間チケットを多くのファンが買う気になったはずだと結んでいます。

この記事のタイトルとしてMARCAは「TIKI-TAKE=ティキ・タケ」という造語を使い、過去数年に渡ってスペイン代表が披露したリズミカルで遊んでいるかのようなサッカーを表すティキ・タカをもじった表現をしています。

18歳という年齢と日本人であるということ。さらにはバルサのカンテラ育ちであった久保がレアル・マドリーに移籍し、マジョルカにレンタルされている話題性が大きいことは確かですが、久保がこの日見せたプレーが正当に評価されている事自体は間違いないと言えるのではないでしょうか。

久保の試合後記者会見コメント

まずはホームでデビューできたことを嬉しく思いますし、ファンが盛大に迎えてくれたことに感謝しています。

まだホームのファンには自分のプレーを知らない人も多いと思うので、自分がどういうプレーヤーなのかを示す必要があると考えていました。

アブドンがPKを失敗した件に関しては、自分が蹴ったわけではないので僕がどうこう発言することではないと思っています。誰もがある時はゴールを決め、ある時には外す。それはよくあることですし、特に僕がコメントすることではないです。

マジョルカはクラブ、選手、監督の間に一体感があり、自分勝手だったり秘密主義だったりする人は誰もいない素晴らしい環境だと思います。

PKを誰が蹴るのかについては監督が決めたのか既に決まっていたのか僕は知りませんし、僕はこのチームで新人なのでその件について語る立場にはありません。

上記のコメントはすべて久保本人が通訳を全く付けずに1人でスペイン語での質問に答えたコメントです。

いくつか「PKはできれば自分が蹴りたかった」とでも言わせたいような意図の質問がありましたが、うまく自分の立場を明確にしながらその質問をかわせるあたりに、久保のスペイン語力と頭の回転の速さが凝縮されているような気がします。

この直後には日本語でのやり取りもありましたが、日本語での質疑応答でもスペイン語での質疑応答同様に落ち着いた冷静なコメントをしており、たまにある「スペイン語と母国語でコメントが違う」ということによるメディア上での取り違えなども起こりにくいのではないかと僕は感じました。

うっかりするとこの日のプレーだけで絶賛したくなりもしますが、とはいえまだまだ2試合目。

初戦よりもプレー時間が長く、パスも回ってきていたとは言えまだまだこれからというのが本人としても本音でしょう。

次節以降に久保のプレー時間がどの程度増えていくのか。そしてスタメンで主力としてマジョルカを引っ張っていくようなレベルにまで到達することができるのかどうか。

今後も注目してみていきたいと思います。

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