【セルタ】モウリーニョ会長、マキシ・ゴメス移籍では譲らない構え

La Liga情報

セルタ会長カルロス・モウリーニョ、マキシ・ゴメス移籍で譲らない構え

FARO DE VIGO、MARCA両紙が報じている内容によると、セルタ・デ・ビーゴの会長カルロス・モウリーニョはマキシ・ゴメスの移籍に関して譲歩する考えがないことを明言しています。

現地時間6月17日月曜日に行われたクラブ主催のイベントで、記者団からマキシ・ゴメスの移籍に関するここ数日の噂に関する質問を受けたモウリーニョは

1つハッキリさせておきたいのは、我々はマキシを誰かに”プレゼントする”つもりは毛頭ないということだ。彼には明確に移籍金の金額が設定されており、マキシを獲得したいクラブがあるのなら、彼らがまずその金額を支払えるのかどうかを考えてから我々の元へ来るべきだというのがセルタ・デ・ビーゴの立場だ。

その準備が整っている相手となら我々としても初めて交渉のテーブルにつくことができる。それ以上でも以下でもない。

もう1つ言っておくと、もしマキシがビーゴに残らなければならくなったとしても我々としては一切問題はない。仮にバレンシアがマキシ個人と何らかの合意を取り付けていたのだとしても、最終的に我々セルタ・デ・ビーゴと合意しなければその”個人的な合意”にセルタ・デ・ビーゴは何ら関係がないということだ。

と、かなり強い口調でメディアへの質問に回答しました。

マキシ・ゴメスの移籍金は5,000万ユーロ(約61億円)に設定されていますが、モウリーニョはつまり、この移籍金額を下げる意思は現時点で持っていないということを示したことになります。

前回のブログ記事「【セルタ】ウェスト・ハムがマキシ・ゴメスへ3,200万ユーロを提示も拒否

【セルタ】ウェスト・ハムがマキシ・ゴメスへ3,200万ユーロを提示も拒否
マキシ・ゴメスに対してイングランドのウェスト・ハムがオファーを出したものの、セルタ側が拒否したという報道があります。マキシ・ゴメスの移籍がどう推移していくのか、個人的な考察を書きました。

でもお伝えしたように、マキシ・ゴメスにはバレンシアの他イングランド・プレミアリーグのウェスト・ハムも獲得の意思を示しています。

イングランドのスカイスポーツがウェスト・ハムから提示された2,900万ユーロのオファーをセルタが受け入れたと報じていましたが、その報道をモウリーニョがセルタを代表して否定した形になるわけです。

モウリーニョのコメントにもある通り、一部にはマキシ・ゴメス本人と代理人−バレンシア間での合意は成立しているとも報じられています

しかしモウリーニョがそれをあくまでも「個人的な合意に過ぎない」と断じたことで、あくまでもマキシ・ゴメス移籍の主導権はセルタが握っているのだということを内外に示しました。

サッカーの移籍においては過去何十年も繰り返されてきた光景ですが、選手個人と移籍先クラブが合意している例はこれまでも星の数ほど存在しています。仮に契約が満了しており公式には元のチームには所属していない形になっている選手であればそのまま別のクラブへの移籍が成立しますが、まだ契約が残っているクラブから別のクラブへ移籍をしようとする場合は現所属クラブと移籍先クラブとの合意がない限り移籍は成立しません

新聞を始めとする各メディアにある選手がどこそこへ移籍する、という報道が出るのは大抵が「選手個人と移籍先クラブが個人的に合意している可能性がある、もしくは可能性が高い」場合であって、こうした報道が出たからと言って必ずしも現所属クラブと移籍先クラブの間で公式に交渉が行われているとは限らないのです。

発言内容から状況と思惑を読み解いてみる

そもそもクラブ間の移籍交渉を最初から最後までつまびらかに公開することはほぼ99%あり得ないことです。会社で外部と交渉をする場合を想像すればわかりやすいと思いますが、社内外に向けて様々な情報の出し方があり、対外的にも対内的にも発言内容と発言のタイミングは極めて重要です。

隠しすぎても良くないし、明らかにしすぎても良くない。

有利に交渉を進めるためには隠すところは隠し、見せるところは見せるという「駆け引き」が必要になります。

その観点からすると、今回のモウリーニョの発言はいくつか示唆に富んだものが含まれていると僕は考えています。彼の発言を振り返ってみましょう。

我々はマキシを誰かに”プレゼントする”つもりは毛頭ないということだ。

「金額を下げるつもりはない」とも取れますが、一方では「契約期間満了に伴うフリー移籍をさせるつもりはない」とも受け取れます。

後者の意味で発したコメントだと仮定すれば、次の発言により一層意味が出てきますね。

明確に移籍金の金額が設定されており、〜中略〜 彼らがまずその金額を支払えるのかどうかを考えてから我々の元へ来るべきだ

つまり、

「フリー移籍でみすみす持っていかれるのはセルタとしても避けたい」。

「だから設定されている移籍金の額が考慮されていて、双方納得のいく交渉ができそうだと思えば交渉する」

と言っているように受け取ることができます。

準備が整っている相手となら我々としても初めて交渉のテーブルにつくことができる。それ以上でも以下でもない。

最後にこのコメントがあるので、僕の推測が正しいであろうことがほぼ裏付けられますね。100%確実ではないですが。

さらにモウリーニョはコメントの最後でこう発言しています。

もしマキシがビーゴに残らなければならくなったとしても我々としては一切問題はない。仮にバレンシアがマキシ個人と何らかの合意を取り付けていたのだとしても、最終的に 〜中略〜 セルタ・デ・ビーゴは何ら関係がないということだ。

このコメントで面白いのは、意識的にかどうかはともかく明確に「バレンシア」という名前を出していることです。

モウリーニョが断ったとされるウェスト・ハムの名前は出さずに、バレンシアの名前だけがコメントの中に登場する。

このことから、マキシ・ゴメス側からバレンシアとの個人合意は成されているか、もしくはほぼ合意に達しそうな状態であることが知らされていて、セルタもその事実を把握している可能性があるということが考えられます。

このコメントを最後に敢えて発しているということは、発言の序盤で言っている(と予想できる)、

  • フリー移籍をさせるつもりはない
  • 移籍金額を下げたくもない
  • 移籍金額を考慮した提案を持ってきてくれれば交渉には応じる用意がある

という意味(にも取れる)発言を否定しないでおきつつ、

本人とは合意しているからお前らが移籍を認めるか、移籍金を下げろ

というような大上段な態度に応じる気はない、ということを明確に意思表示したものではないか?と考えられるのです。

コメントから読み取れる経営者としての「したたかさ」と「強引さ」

以前の記事「【ラ・リーガ】セルタ、FWマキシ・ゴメスを今シーズンオフに売却へ。

【ラ・リーガ】セルタ、FWマキシ・ゴメスを今シーズンオフに売却へ。
セルタのマキシ・ゴメスが移籍濃厚との報道。移籍先候補はプレミアリーグかスペイン国内のようです。奇跡の残留を遂げたセルタの過去と今後の経営方針についても考察します。

でもご紹介したようにカルロス・モウリーニョ会長は4つの企業を経営するビジネスマンでもあります。

セルタ・デ・ビーゴも含めればここまで5つの「企業」を経営してきているわけですから、73年の人生の中で交渉事を幾度となくこなしてきているでしょう。

企業経営に必ず求められるのは「利益の最大化」と「持続的な成長」です。

マキシ・ゴメスをフリーで移籍させることは「セルタという企業の利益」にはなりませんし、移籍金が少なくなればなるほど「セルタというクラブの成長には貢献できない移籍」であることになります。また移籍金が少なくなればその分だけ移籍金という「収入」に対してデフェンソールへの連帯育成金支払いという「支出の割合」が大きくなるわけで、これも企業経営の観点から考えたら必要のない支出割合の増加という考え方ができるでしょう。

これらの様々な状況や発言を改めて見返してみると、マキシ・ゴメスの移籍はそう簡単に片がつくとは思えません。

具体的なコメントとしては報じられていませんが、モウリーニョは同時進行しているサンティ・ミナの買い戻しに関しても発言していたようです。

内容としては、ミナの移籍とマキシ・ゴメスの移籍は関係のない独立した交渉であって、単純なトレード話ではないと明確に否定していたとのこと。

その上でミナの移籍金として設定されている1000万ユーロ(約12億円)は高すぎる、と移籍金の引き下げをするのが妥当ではないかとの見解を述べたというのです。

これを見た時僕は声を上げて笑ってしまいました。

モウリーニョの経営者としてのしたたかさはなかなか周囲には理解できない種類のものだと思ったからです。

相手には「びた一文まけてやらんが、お前らの売り物は高いから値下げしろ」と堂々と言っているわけですからねw

実績から言えば20代前半でA代表に選出されワールドカップにも出場した有望FWであるマキシ・ゴメスと、U-21代表歴しかないサンティ・ミナでは明らかにマキシ・ゴメスに軍配が上がります。

モウリーニョがバレンシアのミナに対する値付けが高いと述べたのだとすれば、モウリーニョは「商材」としての価値をよく把握できているのだということがわかります。

それはそれ。これはこれ

という半ば強引なやり方がファンの反発を招くことも多いカルロス・モウリーニョ会長ですが、こと今回の移籍に関しては彼のやり方がファンの称賛を浴びる結果をもたらすのかもしれない、という淡い希望を僕は抱き始めています。

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