2012年11月25日:ミゲルとの再会とボンボネーラ
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「今から行くので準備しておけ」とは言われたものの、具体的に「準備」とは何を指すのかが僕にはピンときませんでした。
実のところ、僕は南米ではスペインに住んでいたときほどサッカー観戦をする機会には恵まれていませんでした。
南米には大前提として「仕事」で来ており、すなわちはそれは出張であり、業務であったわけです。
仕事をほったからしにしてサッカーを見放題というような好き放題な行動ができるほど僕は会社の中で自由が効く身分でもありませんでしたし、なにより南米でのサッカー観戦というのはスペインでのそれより遥かに気を使うものだったのです。
「気を使う」というのは安全の面でも、持ち物等の面でも、でした。
もちろん、例えばアルゼンチンに在住しているファンの方であれば日常の一コマなわけですから僕ほどあれこれを考えずに毎週リーグ戦の観戦を楽しんでいたに違いないのですが、何しろ僕はアルゼンチンでのサッカー観戦に関しては「ズブの素人」です。
財布に小銭=コインが入っていてはいけないとか、ベルトをしているとベルトそのものを没収されるとか、そういう知識は持ってはいたものの場数は当然ありません。
実感として「こういう身のこなしや、こういうところに気をつけていれば大丈夫だろう」という自分なりの基準がないというのは、少なくとも僕にとっては多少なりともストレスでした。
その状況において「準備をしておけ」と言われても、僕の少ない知識で準備できることといったら、財布から紙幣だけを抜き出しておくとか、ベルトが必要のないサイズがぴったりのデニムを履くとか、ボンボネーラからホテルまでの道順をあらかじめ頭に入れておくとかその程度のことでしかありません。
しかもチケットが確保できるのかどうかも判然としないわけですから、ますます僕としては何をどこまで準備すればいいのかという気持ちにもなるわけです。
とはいえ、ボカ対ラシンというアルゼンチン国内でも屈指の人気カードを見るために行動できていて、たとえそれがスタジアム内での観戦に結びつかなかったとしても、これはこれで後々誰かに語れるネタにはなるだろう、と僕は半分開き直ったような気分でミゲルを待つことにしました。
「お客様、あの方はお連れの方ではないですか?」
しばらくホテルのロビーで待っていると、別の従業員が近づいてきてホテルの玄関で手を降っているミゲルの姿を指して僕に教えてくれました。
ありがとう、と伝えてホテルを出るとミゲルは挨拶もそこそこに「車に乗れ」と急かしてきます。
結論から言うと僕はそれに従ってミゲルのタクシーに乗り込んだわけなのですが、冷静に思い返してみるとなかなかのリスクを犯していたのは言うまでもありません。
考えても見てください。
このミゲルという運転手。どこの何者なのか僕は一切知りません。
本当にタクシー運転手なのか?
この車が盗難車だったら?ライセンスはどこに提示されているかの確認は?ミゲルというのが偽名である可能性は?
などなど、気にし始めたら気になることはいくらでもあるわけです。
唯一僕が「なんとかなる」と思えそうなことといったら、言葉が通じること以外は何もなかったのです。
日本以外の国にいる時、最も気をつけなければいけない種類の人間は「やたらと笑顔で親切にしてくる」人物です。
逆の立場で考えてみましょう。
例えば東京のど真ん中。新宿駅の改札口で困っている外国人がいたとして、何語を話す人物なのかもわからずに満面の笑顔で話しかけ、その外国人の行き先がわかったからといってタクシーに同乗して目的地まで送り、挙句の果てに運賃まで支払ったりしますか?
しませんね。少なくとも僕は絶対にそんなことしません。
つまり、別の国で自分がその「外国人」の立場になったとして、普通は異様に親切にしてくる人物などいるはずはないのです。
ところが、このミゲルは異様に親切(のよう)に見えます。
タクシー代は確かに請求はされましたがたいして高くはなかった。
さらに僕の目的を聞いた上で、なぜか僕の目的実現のためにどうやら尽力している、ように見えます。
なぜなのか?
全てが謎でした。
スペインでの経験上、こういう類の人種がいることはわかっていましたし、こういう種類のビジネスが存在することも知っています。
ただし、それは僕がマドリーで定宿にしていたオスタルのオヤジのような、顔なじみから教えてもらったり紹介してもらったりしていたからこそある程度安心して「利用」していただけであり、知らない人物と初対面でこのようなやり取りをするのは非常に、治安の面でも金銭的な面でもリスクのあることでした。
実際に僕は2001年3月のマドリーで、最終的に事なきを得ましたが詐欺に近いことをやられているわけです。
果たして2012年のブエノスアイレスで同じ目に合わない保証はない、と僕は頭のどこかで考えてはいたものの、それでもこの状況をワクワクしながら楽しみつつある自分がいることも同時に自覚していました。
これが僕の人間性によるものなのか、それとも海外サッカーファン特有のものなのかはよくわかりませんが、とにかくミゲルの車はボンボネーラのすぐ近くまで来ていました。
「ここからは歩きだ」
とミゲルはおもむろにタクシーを止め、路上駐車をキメてから僕を先導するように歩き始めます。
数ブロック先にはボンボネーラがあるのですが、ミゲルが歩いてく先はどう見てもボンボネーラとは反対方向でした。
「・・・これからどこに向かうんだ?」
と僕が尋ねると、ミゲルはくるりとこちらを振り向き、真剣な顔で答えてきました。
「旦那。あんたの心配はよく分かる。何が言いたいかも、だ。だが安心しろ。俺たちはボカを応援するやつを傷つけたりしない」
セリフとしてはかっこいいのですが、僕は一言も「ボカが好きだ」とか「ボカのファンだ」などとは彼には言っていません。
まあ、そう思われても仕方のないようなほのめかし方をしたことは否定しませんが、事実としては「僕は一度もボカのファンだとは言っていない」のです。
とはいえミゲルなのか、あるいは「彼ら」なのかはわかりませんが、ミゲルが発した言葉に込められた決意が本物であるなら、それは僕にとってありがたいことではあるだろう、と考えていました。
「さて旦那。ここだ」
唐突にミゲルが立ち止まると、そこは何の変哲もない、ただの集合住宅の入り口に見える場所でした。
ボカ地区の生活。ボカと生きる人々。
集合住宅の前には10人以上の人間がたむろしていて、ボカのシャツを着ているもの、着ていないもの、様々でした。
集合住宅の木製の扉を黙って不安そうな眼差しで見つめているこれら10数名の男たちは、おそらく僕と同様にミゲルのような人物から案内を受けてここに連れてこられたに違いありませんでした。
そして、木製の扉の両脇やそのへんの角からはテレビで見るような子供達、つまりあまりきれいな格好をしているとは言い難い服装の子供達が、テレビで見たような視線を僕たちに向けていたのです。
とはいえ上半身裸だとか、素足で泥だらけとかそういうわけではありません。それでも、彼らの家庭が決して「裕福で何不自由ない」暮らしをしているわけではなさそうなことは明らかです。
ミゲルは僕を扉の前ですでにたむろしていた集団に合流させると、スマホで誰かに電話をかけ始めました。
控えめに言って、僕は明らかにその「場」において文字通り場違いな存在でした。
言葉の使い方に語弊があるでしょうし、おそらくは余計な誤解や曲解も招く可能性がある中であえて言いますが、その場所においては僕を含めた他の外国人と思しき数人だけがいわゆる「小綺麗な」服装をしているだけだったのです。
「小綺麗な」というのは別に服が破れていないとか、異臭を放っていないとか、そういう意味ではありません。なんというか・・・、日本でよく女性が口にする「清潔感がある」状態の人間が、という意味合いでの「小綺麗な」という表現だと思ってもらえればわかりやすいかもしれません。
興味津々で僕を凝視する子供達数人は鼻を垂らしているわけでもないですし、彼らの父親らしき男性も臭いわけではありません。汚い格好をしているわけではないのに、どういうわけかそれ以上近寄る空気にならない。こちらからも、あちらからも。
そんな微妙な雰囲気がその場に存在していました。
「旦那、今から来るぞ」
特に何をするでもなく待っていた僕に、電話を終えたらしいミゲルが声を欠けてきました。「今から来るぞ」と言われても誰が来るのか知りませんし、スペイン語圏・・・というか南米特有の主語を含めた主題の一節をバッサリと切り落とした話し方をするミゲルの話では、相変わらず僕にはこれから何が起きるのか想像することすら難しい状態でした。
・・・というのは言いすぎです。
ミゲルは結局詳しい説明を僕にしないままだったのですが、「こんなところだろう」という僕の予想はこんなものでした。
- レベンタ(ダフ屋)のトップにミゲルが電話をかける
- トップもしくは幹部的な男、あるいは男たちが必要分のチケットを持って登場する
- 金額が明らかになり、払える者は払う。払えないものは各自対応する
- 「各自対応」とは価格交渉や交換条件の提示を指す
僕はこの時までにコロンビアとチリで1試合ずつサッカーを観戦したことがありましたが、ダフ屋のシステムはだいたい上記のようなものでしたし、チリに至っては個人でやっている者もいました。
そして購入希望者が一箇所に集められ、ミゲルを含めた「仲介人」らしき人物が複数人その場にいるということは、少なくともこの「ダフ屋から試合チケットを購入してスタジアムに行く」という行為は、さしものアルゼンチンといえども堂々と公言できる種類のものではないように思えます。
僕は少し気になって、半分開いている眼の前の集合住宅の入り口から中を覗いてみました。
薄暗い5mほどの通路の向こうに、スペインも含めたスペイン語圏ではしばしば「パティオ」と呼ばれる中庭が見え、そのパティオで子供達がサッカーをしています。
通路内にも数人の子供達がいて、妹や弟の手を引いた年長の子供や、同年代同士で遊んでいる子供達もいました。
その近くで親と思しき大人たちは、指をすぼめて手を使って話すアルゼンチン人独特のリズムで行われる会話を延々と続けており、当然のことながら聞こえてくる話題はボカについての話でした。
ボンボネーラからおそらく1kmも離れていない場所。
例えばマドリーにもバルサのファンがおり、バルセローナにもマドリーファンがいるように、この周辺にも数人ぐらいはリーベルのファンやラシン、インデペンディエンテ、エストゥディアンテスなどのファンはいるのだろうと思いましたが、少なくともこの集合住宅内で僕の視界に入る範囲にはボカ以外のチームを推しているファンはいなさそうに見えます。
そこかしこにボカの旗やシャツ、ボカのチームカラーである青と黄色の何かが散らばっているその空間にはボカ以外のことを考えている人々はいないようにしか思えません。
確かにここはボカのお膝元に間違いないのだな、と考えていたその時。
「待たせたな、紳士諸君!」
と地を這うようなガラガラ声を張り上げながら、一人の大男がボカのユニフォームに身を包んで現れました。
ブエノスアイレスで香川とドルトムントが縁を繋ぐ
イタリア映画に出てくるレストランのシェフのような太鼓腹に禿げ上がった頭。パツパツに膨れ上がってはちきれそうになっている「MARADONA 10」とマーキングされたボカのユニフォーム。
その時点でパチモノだとわかるボカのシャツを来ている大男は、のそのそと現れてから僕たち「顧客」を一望すると手際よく「仕分け」を始めました。
「あんたはこっち。あんたもだ。おい、そこに並んでくれ。4人ずつだ。いいか、4人だ。5人じゃない、4人だぞ。そうだ。そこだ。それから・・・」
いつの間にか20人以上になっていた僕たち「顧客」の集団は、4人ずつのグループにまとめられ、大男の仲間と思われる若者達が1グループずつを受け持つように寄り添い始めます。
「・・・。あんた、何人だ?中国?韓国?」
大男は一瞬僕をじっと見つめると、ゆっくりとしたスペイン語で僕に質問してきました。
「・・・どちらでもないね」
と答えると、彼は大声で「日本人か!英語は話せるか?」と目を輝かせました。
アジア人にスペイン語で国籍を質問しておきながら、こちらの国籍がわかると英語を話せるかどうかを聞くという意図が全くわからず、僕は自分でもわかるぐらい怪訝な顔つきを我慢することができませんでした。
「英語は?話せるのか?どうなんだ?」
大男はどこからどう見ても怪訝そうに自分を見つめ返す眼の前の日本人の様子など気にもかけていないようで、同じ質問を繰り返します。
「話せないことはないけど、こうしてアンタと話すほど普通には話せないよ。なぜ?」
と、僕は暗に「ご覧の通りスペイン語のほうが堪能な俺に英語を話せるかどうか聞く理由はなんなんだ」というニュアンスを含めた答えを返したわけですが、おそらく彼にそんなニュアンスは通じていなかったようでした。
「十分だ。俺たちよりは話せることは間違いないだろうからな。日本人なんだから」
「日本人なんだから」という最後の一言が何を意味するのか僕にはよくわかりませんでした。
まさか、彼は日本人というものを「何でも事前知識なしにやってのける化け物」か、「聞けば何か答えを出してくれる辞書」みたいなものかなにかだと思っていたのでしょうか。
おいおい勘弁してくれ何をする気だ、と思っていると、彼は一人の若者を引っ張ってきて僕の横に立たせました。
「ジュー(You)、ウィス(With)、ひー(He)?おけ〜(OK)??ああん?」
「お・・・おうけい」
大男は金髪の若者とお互いの鼻がくっつきそうなぐらいに顔を近づけながら、英語らしき言語で若者に「こいつと一緒にいろ」と僕を指差し、若者は若干逃げ腰になりながらそれを承諾していたようでした。
なんだなんだ、何事だ。
当然のことながら僕には全く状況が飲み込めません。一体この若者は何者だというのでしょうか。
「どうしろってんだ」と尋ねる間もなく、大男はグループわけされた顧客たちを確認すると建物の中に引っ込んでしまったので確かめることもできません。
仕方なく若者を振り返ると、彼もあっけにとられた様子で僕をじっと見ていました。
「君は、何人?」
若者はたどたどしくも教科書のような文法の英語で僕に尋ねてきました。
「日本人だけど、君は?」
こちらも同じく教科書のような英語で彼に答えるわけですが、彼が話す英語のイントネーションに僕はなんとなく覚えがありました。
「もしかしてドイツ人?」
追いかけるように若者に言うと、彼は驚いたような顔をしながらコクコクと頷き、「どうしてわかるんだ」と聞いてきます。
「昔、ドイツ人の友達がいてね。外国語を話すイントネーションが君と似ていたから、そうじゃないかなと」
こちらがドイツ人と交流した経験があることを知ったからなのか、若者は少し安心したようです。
話をしてみると、彼の名前はマティアス。23歳の大学生でした。5日間の連休があったため、一度は行ってみたいと思っていたボンボネーラでの試合を見るためにわざわざブエノスアイレスにやってきたが、僕と同様に一般売のチケットを買うことができず、今日の朝からボンボネーラの周辺をうろついていたところをここに案内された、とのことでした。
しかもよく聞いてみるとスペイン語はほとんど話せないというではありませんか。
「よくそれでここまでたどり着けたな」
呆れたように僕が言うと、マティアスは
「ドイツでも似たようなイリーガルっぽいシステムはあるからね。それに、ヨーロッパでもどこでも、チケットを持っていない人間が取る行動なんて2つしかないだろ?」
と平然とした顔で答えてきました。
確かにその通りです。
僕がスペインに住んでいた2000年代初頭ですら、スペインはおろかイタリアやフランス、そしてドイツにもダフ屋は存在していましたし、中には大々的な組織も存在していました。
良くも悪くもダフ屋行為はなかば「あって当たり前」のものでしたし、手慣れた者であればどのへんでどうすればその手の人間たちとコンタクトを取れるのかはなんとなく感覚的にわかるものでした。
何を隠そう、僕自身がミゲルと鉢合わせたのもその手の「勘」によるものだったわけですから、僕よりも日常的に現場を見ることが多かったはずであるこのマティアスが、この場所があるはずだと思い至ったことは不思議なことではありません。
ただ、言葉もわからない状態でここまでたどり着いたことは素直に驚きでしかありませんでした。確かにマティアスのいうように、スタジアムまで来てチケット持っていない人間がやることは2つしかないでしょう。
諦めて帰る。
もしくは
諦めずにダフ屋を探す。
その2択です。
そして、少なくともヨーロッパのサッカー観戦に関してド素人でもない限り、だいたいのファンはどうやってダフ屋にたどり着けるかある程度は想像できるものです。
つまりここにたどり着いているという時点で、このマティアスはそこそこ筋金入りのサッカーファンであることは間違いなさそうでした。
ドイツ人の大学生がわざわざ「ボンボネーラでのボカ対ラシン」という試合を聞きつけて飛行機に飛び乗りアルゼンチンまでやってくる。その行動力と、スペイン語もわからないのにダフ屋の巣窟みたいな場所にたどり着き、ビビりながらも恐れてはいないその様子に僕は俄然興味をそそられたのです。
「相当サッカー好きなんだね。出身はどこなの?」
「君たち日本人もそうでしょ。僕の街にも山程日本人のファンが来たからよくわかるよ」
”僕の街にも日本人が来た”?
日本人が山程行きそうなドイツの街。ゲルゼンキルヒェンかドルトムントぐらいしか思いつきません。
「・・・どっち?」
と思わず僕は聞きました。
ドイツの国内事情には明るくない僕ですが、シャルケとドルトムントの間で戦われるルールダービーはドイツ国内でも屈指のローカルダービーであり、ローカルダービーがどんなテンションのものなのかは、この僕自身がガリシアで身を持って体験していることです。
ゲルゼンキルヒェンの人間が「ドルトムントファンか?」と尋ねられたり、ドルトムントの人間が「シャルケのファンか?」と尋ねられることは、僕が「ガリシアにいたならデポル好きですか」などと聞かれることと同じぐらい、腹立たしく吐き気のする、おぞましく苦々しい体験であるに違いないのです。
「もちろんドルトムントだよ。香川のほうがシャルケのアイツよりいい選手だ」
”シャルケのアイツより”という部分を「Someone of Fu◯◯ing Schalke」と口走ったマティアスを見ながら、僕は密かに余計なことを言わないで良かったと内心でホッとしたのでした。
「こんなところで日本人と知り合うとは思わなかった。ドルトムントと日本はいい縁があるみたいだね」
とマティアスはたどたどしく聞こえるもののきれいな文法の英語で話しかけてきます。
確かに、と僕は返事をしながら思いました。
日本人とドルトムントのドイツ人が、ブエノスアイレスの片隅で同じダフ屋からチケットを買おうと鉢合わせる。
こんな縁があるでしょうか?
人生不思議なことがあるものだ、と思いながらドルトムントで香川はどう思われているのか聞いてみようと思ったその時、再び大男が現れてニヤリと笑いながら叫びました。
「さあ、お客さんがた!出番だぜ!!」
どうやらこの日のメインイベントがこれから始まろうとしているようでした。
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つづく