【ラ・リーガ】バルサ、バルベルデ監督の今後を国王杯後に判断

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バルベルデの未来は国王杯後に決定

2018−2019UEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2戦で、リヴァプールに0−4の敗戦を喫し、トータルスコア3−4で2年連続の逆転敗退となったバルセローナ。

試合後にはファンやメディアがこぞって責任が誰にあるのかとあら捜しを始める事態に発展しており、それは監督であるエルネスト・バルベルデにも影響を及ぼす可能性が出てきています。

5月25日のコパ・デル・レイ(国王杯)決勝後に何らかの動きがあるとも言われており、バルベルデの今後の道筋がその時に明らかになると見られています。

2年連続の「第2戦での逆転敗退」

2017−2018シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝でイタリアのローマと対戦したバルサは、第1戦をホームであるカンプ・ノウにおいて4−1と勝利していましたが、第2戦アウェーのスタディオ・オリンピコで0−3で敗北し、第1戦にアウェーゴールを奪っていたローマに準決勝進出の切符を渡すことになってしまいました。

今シーズンは準決勝まで進出し昨シーズン同様に第1戦をホームで3−0と勝利。昨シーズンとは異なりアウェーゴールを奪われていないことから、周囲にはバルサの決勝進出を確実視するような論調や雰囲気も目立っていました。第2戦直前となったラ・リーガ第36節のセルタ戦ではスタメン全員を変更し主力を休ませる策を取ったバルベルデ。昨シーズンの教訓を活かしたチャンピオンズリーグ対策であることは明らかでしたが、結果は第2戦での信じられない0−4での敗戦。

アンフィールドでリヴァプールが勝利すること自体はさほど驚くようなことでもありません。もともとリヴァプールはホームでの勝率がヨーロッパでトップクラスに高いチームですし、アンフィールドでのアウェー戦が難しいということはこれまで数々の選手や監督が公言しています。

例えば2−0。例えば3−1。そういったスコアでリヴァプールが勝利することは何も不思議なことではなかったはずです。しかも仮にバルサが3点を失ったとしても、1点でも決めればアウェーゴールの差で決勝進出が決まるという状況。つまり、確かにバルサにとって有利な状況であることに疑いの余地はありませんでした。

試合展開は今更語るまでもないので割愛しますが、ジョルディ・アルバのミスがきっかけで生まれたリヴァプールの1点目がもしも防げていたら、果たしてアンフィールドにあの雰囲気と勢いが生まれたのかどうかは神のみぞ知るところです。

僕が見ていた限りではあの1点目でリヴァプールは相当な勢いで前に出てきましたし、アンフィールド全体の雰囲気もチームの勢いを後押しするものでした。

複数のメディアやコメンテーターが「バルサは寝ていた」と発言しましたが、確かにそう言われても仕方のないプレーぶりをバルサがしてしまったのも事実だと思います。2点目と3点目はある意味仕方ない形での失点だったと考えられなくもありませんが、4点目は論外でしょう。ジェラール・ピケ以外誰もあのコーナーキックに対して集中も警戒もできていませんでした。

かくしてまたしてもチャンピオンズリーグ制覇を逃してしまったバルサですが、前回の記事「【ラ・リーガ】バルサのチャンピオンズリーグ敗退と来季編成のアンケート」でもお伝えした通り、ファンの間ではバルベルデの来季監督継続を疑問視する声が高まっています。

【ラ・リーガ】バルサのチャンピオンズリーグ敗退と来季編成のアンケート
スペイン紙MARCAが読者に向けたアンケートを実施。衝撃的な逆転敗退を喫したチャンピオンズリーグの責任が誰にあるか。来季の編成について。補強ポイントはどこなのかについて。興味深いアンケート結果が出ています。

今シーズンのチャンピオンズリーグ敗退の責任が誰にあるのかというアンケートに対する回答パーセンテージは、平たく言うと「全員」という結果に落ち着いています。しかし「バルベルデが来シーズンもバルサの監督でいるべきか」というアンケートには70%のファンが「NO」と回答。

バルベルデの国際大会での実績

前述のアンケート結果は「バルベルデではヨーロッパのビッグトーナメントに勝てない」とファンが考えていることの現れだと言えます。確かにバルベルデはこれまで2009−2010シーズンのビジャレアル、そして2012−2013シーズンのバレンシアにおいてそれぞれヨーロッパリーグとチャンピオンズリーグを経験していますが、いずれもベスト32(ビジャレアル)、ベスト16(バレンシア)で敗退しており、バルベルデ個人としてはヨーロッパの国際大会(クラブレベル)で決勝進出を果たしたことはありません。

実績だけで判断してしまうと、監督就任初年度でラ・リーガとチャンピオンズリーグ。そしてコパ・デル・レイも含めた3冠を達成したジュセップ・グァルディオーラやルイス・エンリケという前例がバルサにはあるので、確かに見劣りはしてしまいます。就任初年度から2年連続でラ・リーガ優勝を成し遂げたという実績は見事であるものの、レアル・マドリーのチャンピオンズリーグ3連覇が大きく取り上げられたことからも分かる通り、現在のサッカー界ではチャンピオンズリーグの価値が年々上がり続けています。

そのチャンピオンズリーグを勝ち取る機会を2年連続で第2戦の逆転負けという形で失っているとなれば、ファンからすれば「昨シーズンから何を学んだのか」と糾弾されてしまう状況も当然なのかもしれません。

とはいえバルサがチャンピオンズリーグで初優勝を飾ったのは1991−1992シーズン。ヨハン・クライフが率いた「ドリーム・チーム」時代のこと(当時はまだ大会名称がチャンピオンズ・カップ)。2度目の優勝はフランク・ライカールト監督時代の2005−2006シーズンまで待たなければならず、必ずしも「チャンピオンズリーグ優勝の常連」というわけではありません。2008−2009シーズンからの4年間で2度優勝したグァルディオーラ時代、そこから時を空けずに更に優勝したルイス・エンリケ時代のインパクトがあるため、「優勝して当然」という期待がファンの間に生まれているのであろうことは想像できます。

しかし冷静に歴史を振り返ってみると、バルサが「優勝して当然」とは必ずしも言い切れないということも、一方では言えるのです。

そんな中でバルサの監督に就任し大きなプレッシャーに晒されながらもチームを纏め、ラ・リーガ2連覇という結果を残しているバルベルデは一定の評価はされるべきであり、事実2019年2月には1年間の契約更新を勝ち取っています。

ところが・・・。

不透明になってしまったバルベルデの未来

スペインのスポーツ各紙の報道によると、いかなる状況だろうと5月25日にセビージャで行われるコパ・デル・レイ決勝のバレンシア戦が終わるまでは、バルサのクラブ首脳陣は何も発表をしないと決めていると報じられています。

どこまで信憑性のある話かは別にして、報道ではロッカールームと経営陣の信頼とサポートを失いつつあると言われているバルベルデ。「今の状況において、バルベルデが来シーズンもバルサのベンチで指揮を取っている、とは誰も断言できない状態になっている」というのがスポーツ紙MARCAの論調。

2020年まで契約は更新されたものの・・・

2月に更新されたバルベルデの新契約は2020年までとなっており、更に2020−2021シーズンの成績次第では1年間の契約延長オプション付ということなのですが、「シーズン終了後の話し合い内容次第で、どちらか一方からの申出により、合理的な金額合意があれば契約を終了させられる」という一項が盛り込まれているとも言われています。

つまり契約内容に関わらず、クラブ側がバルベルデに不満がある場合。あるいはバルベルデがクラブ側に不満がある場合など、何らかの理由を根拠としてどちらかから契約解除・終了の申し出があれば、契約解除金の金額合意は必要になるもののいつでも契約を終了できるということになります。

この条項が真実であるとすれば気になるのは、「シーズン終了後の」というこの「シーズン」がどこを指しているのかになります。2019年2月に更新された契約に盛り込まれているとすれば契約の発効は2019年2月になっていると考えるのが普通であり、その場合の「シーズン」は2018−2019シーズンも含まれると見ることができます。

ラ・リーガ2連覇を決め、且つチャンピオンズリーグ準決勝第1戦までは、蜜月とまではいかないものの良好な状態だったバルセローナの内部は荒れています。

不安定になってしまったエルネスト・バルベルデの未来が一体どうなるのか。バルサとバルベルデの動きからはまだまだ目が離せそうにありません。

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