”日常生活を送ることはできるだろうが、プロ選手としてはプレーしないだろう” Corbalán: “Iker acabará haciendo una vida normal, pero no jugará al deporte profesional”
5月1日のトレーニング中に急性心筋梗塞を発症。緊急入院の後カテーテル法による手術を受け一命を取り留め、現在容態は安定したと報じられている、ポルトの元スペイン代表GKイケル・カシージャス。
そのカシージャスの今後の見通しについて、スペイン紙ASが元レアル・マドリーのプロバスケットボール選手で心臓専門医のフアン・アントニオ・コルバラン医師のコメントを紹介しています。
コルバラン医師がスペイン国営テレビ局TVE(テレビシオン・エスパニョーラ)の取材に対して語った内容としてASが報じている内容には確かに気になるものが含まれています。
カシージャスが受けたカテーテル法による手術により、危険な状態は脱していると報じられています。カテーテル治療の場合「ステント」と呼ばれる金属製の網状の筒(数mm単位のもの)を動脈硬化などで固くなっている部位に留置。これにより血液の流れを良くする手法が多く取られるとのこと。
カテーテル治療
「カテーテル」とは、直径数mm程度の軟らかい管で、このカテーテルを用いる治療法を「カテーテル治療」といいます。狭心症や心筋梗塞のカテーテル治療にはいくつかの方法がありますが、現在、最もよく行われているのは「ステント治療」です。
ステント治療とは、カテーテルを使用して、「動脈硬化」などで狭くなっている部位に、「ステント」と呼ばれる金属製の網状の筒を留置し、血液の流れを改善する治療法です。ステント治療では、ほぼ確実に狭窄した血管を広げることができます。引用元:急性心筋梗塞.com
そして、コルバラン医師によれば、まさにこの「ステント」の存在そのものがカシージャスの今後のプロサッカー選手としてのキャリアが続かないだろうという根拠であるとのこと。
コルバラン医師は
「冠状ステントを装着した状態でサッカーをプレーすることは不可能だ。ゴールキーパーとしてならなおさらだ。イケルは日常生活を送り、今後の人生を終えることはできるだろう。しかし、プロスポーツ選手としてはプレーしないだろう」
とTVEの取材に対してコメントしたそうです。
ステントの種類
金属製のステントは私たちの体にとっては異物なので、異物を排除しようとする、一種の「免疫反応」が起こり、ステントの内側に細胞が増殖します。増殖した細胞が新たな「内膜」となり、ステントの表面を覆うことが期待できますが、細胞が半年ほど増殖し続けると、20~40%の人に再び狭窄が起こる(再狭窄)という問題があります。
そこで、この問題を解決するために、従来のステントの表面に細胞の増殖を抑える薬を塗った「薬剤溶出性ステント」が開発されました。薬剤溶出性ステントの表面からは薬が少しずつ溶け出し、細胞の増殖による再狭窄を防ぎます。引用元:急性心筋梗塞.com
調べたところ、上記のような情報が見つかりました。確かに命の危険が去った可能性があるとはいえ、実際には今後の経過を注意深く見る必要がありそうです。
果たしてカシージャスの今後はどうなるのでしょうか。
サッカーファンとしては彼が再びピッチの上で見事なプレーを見せてくれることを期待したいところですが、最も大切なのはカシージャス自身の命です。スペイン人選手ではかつてセビージャのアントニオ・プエルタやエスパニョールのダニ・ハルケ達が心臓疾患が原因で亡くなっています。真相は定かではありませんが、彼らの事故当時「メディカルチェックの際にほんのわずかな疑惑があったものの、重度ではないと判断されその後も激しいプロとしてのプレーを続けた」とも噂が流れました。
同様のことがカシージャスに起こらないよう、専門医達と徹底した術後経過管理を行い、クラブともよく話し合うことが必要でしょう。何より家族との話し合いを慎重に行い、今後についての決断をして欲しいところですね。