【セルタ】アトレティック戦は中盤の構成と前線の役割を変更か。

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アトレティック戦に向けていくつかの変更をテストか

スペイン最大のスポーツ紙MARCAは、セルタの監督フラン・エスクリバが第8節のアトレティック戦に向けていくつかの変更を行う可能性が高いと予想しています。

エイバル戦での敗戦を受けてファンからはフラン・エスクリバの解任論が上がっており、10月1日の記事「【セルタ】フラン・エスクリバの未来はアトレティック戦次第の可能性も。」でご紹介したようにビーゴのファン79%が「フラン・エスクリバを解任すべき」だと考えています。

【セルタ】フラン・エスクリバの未来はアトレティック戦次第の可能性も。
セルタのフラン・エスクリバが続投するかどうかは第8節アトレティック戦の結果次第になるかもしれません。週末までクビが繋がったエスクリバがいる一方で、デニス・スアレスはファンに団結を呼びかけています。

スペイン現地時間9月30日の午前10時半から行われたセルタの経営会議の席上だは表向きはフラン・エスクリバの解任は議題に上がらなかったとされていて、実際にクラブからは特に肯定のコメントも否定のコメントも出されていません。

スペインの各メディアによるセルタ評はどれも似通ったもので、それはセルタファンが感じていることとほぼ同じです。

守備は可もなく不可もなく。

攻撃の形が作れない。

開幕前に獲得した選手の特徴を活かせていない。

アスパスが沈黙している。

大きくわけてこの4点です。

MARCAは10月1日付けの記事で、

フラン・エスクリバはチーム全体のプレーにより流動性をもたせるための変更と調整を行うことになるだろう。

と報じています。

具体的には中盤の構成に手を入れるだろうとMARCAは予測していて、特に攻撃面であまり効果的なプレーをできていないスタニスラフ・ロボツカとオカイ・ヨクスルのどちらか、あるいは両方をフラン・ベルトランとパペ・シェイクに替えてくるのではないかとのこと。

アトレティコ戦で復帰したオカイですがディフェンス面で多少の貢献はできていなくもないと思えるプレーではあるものの、攻撃時に効果的なプレーができているかというとそこは否定的に見ざるを得ません。

ロボツカに関してもそれは同様で、位置取りが中途半端なために前線との距離が空き、妙なスペースを空ける場面が目立っています。

守備から攻撃に変わる際の動き出しの速さや強度という点では現時点だとパペ・シェイクのほうがパワフルな動きが目立ちますし、フラン・ベルトランもグラナダ戦前までの3試合でパスや守備時のポジショニングやプレー選択がかなり改善されていました。

なにより、レアル・マドリー戦、バレンシア戦、セビージャ戦の3試合でベルトランから供給される縦パスが攻撃の起点になることも多く、僕は個人的に今シーズンはベルトランにとって飛躍の年になるのではないかと密かに期待していたところです。

本当にベルトランとパペがスタメンに名を連ねるのであればそれはある意味でセルタにとっての転換点になる可能性もあり、アトレティック戦は様々な観点から見てセルタファンにとって注目の一戦になるかもしれません。

セルタを信じるべき6つの理由

ビーゴの地元紙FARO DE VIGOはセルタの現状が厳しいものであると評しながらも、そこまで悲観的になる必要はない、と「セルタを信じるべき6つの理由」をあげています。

理由(1)

メンバーの質

セルタを信じるべき理由の一つはフラン・エスクリバの手に委ねられた6人の選手達が持つ才能である。

デニス・スアレス、サンティ・ミナ、ラフィーニャ・アルカンタラはセルタのチーム構成に多様性をもたらし、パペ・シェイクとガブリエル・フェルナンデスに関してもそれは同様だ。またジョセフ・アイドゥーのような国際経験あるアグレッシブなセンターバックの獲得は守備面で大きな効果をもたらしている。

ただし、チームに新たな要素を組み入れ機能させるためにはある程度の時間が必要であることは明らかであり、現在のところ新加入の選手達がその才能を100%発揮できているとは言い難い。とはいえ、ここまでのリーグ戦で彼らはその可能性を少なからず示していることも事実である。

 

理由(2)

グループの連動性

今シーズンのチームにおいて”マジョリティー”はカンテラである。トップチームのほぼ半数が”自宅出身者”で湿られており、このことが選手感の連動性に良い影響を与えている。選手達はチームカラーを自分自身として認識し、それはプロフェッショナルであること以上の意味を彼らに与えている。

セルタは一つの硬いグループになっており、ア・マドローアを源流とする一つの家族のようなものだ。(これはジョセフ・アイドゥーも直近のインタビューでそう答えている)セルタに所属すること自体が一つの家の中にいることと同義なのである。

ガリシアサッカーを代表する旗印としてラ・リーガを戦うこの偉大な家族に所属しているというこのアイデンティティこそが、決して無視することのできない選手達の大きなモチベーションになっている。

 

理由(3)

無条件に応援するファン達

セルタのファンはラ・リーガで最も声量の大きいファンではないかもしれない。しかしここ数年で幾度も示してきているように、彼らは紛れもなくラ・リーガの中で最もチームに忠実なファンの中の一つである。

バライードスの選手達に対するサポートは無条件で無限であり、困難なときであればあるほどその度合は強まっていく傾向にある。もし”セルティスモ”の力強い支援がなければ、チームはとっくに瓦解していたはずだ。

セルタファンが近年見せているような他に類を見ないサポートがチームにとってかけがえのない力になっていることをセルタはクラブとして認識している。そしてそれが良い時だけではなく、特に困難な時期により力を発揮することを選手達はよくわかっている。

スタンドが選手達を引っ張っているのだ。たとえ選手達がスタンドを鼓舞できない時であっても。

 

理由(4)

守備の改善

ここ数シーズンでセルタの大きな問題は、失点が多く得点が少なかったことだ(過去2シーズンでシーズンあたり60ゴール)。 フアン・カルロス・ウンスエ、アントニオ・モアメド、ミゲル・カルドーゾ(フラン・エスクリバも)は、失点数を大幅に減らすという目的を達成することこそできてはいないものの、バレンシア人であるフラン・エスクリバの指揮下でチームは徐々にディフェンスを改善させてきている。

今シーズンのセルタの勝利は規律と連携で得たもので、連携のとれた守備で相手(バレンシア)にチャンスを与えなかった。得点を上げることよりもはるかに多くの作業を守備に割いていることはある意味で驚きではあるが、攻撃の熟成には必要な各種決め事や作業があり、目指すべき攻撃の形を彼らがピッチで表現する”その時”が来るのはもうすぐだという確信が存在する。

 

理由(5)

ビッグクラブへの対応

レアル・マドリー、バレンシア、セビージャ、さらにアトレティコとの対戦。そしてラモン・サンチェス・ピスフアンやワンダ・メトロポリターノのような難しいスタジアムへでのアウェー戦で、リーグ戦の厳しいスタートはチームを立ち上げている最中のセルタに大きな傷を穿つことになった。

対戦相手としては厄介なクラブとの数試合がセルタの成長を助けることはなかったものの、セルタはレアル・マドリー相手にいくつか期待の持てる危険なプレーを披露し、バレンシア相手には勝利を収め、サンチェス・ピスフアンではセビージャのゴール直後に劇的な同点ゴールを決め、ワンダ・メトロポリターノでは無失点で切り抜けることに成功した。

そしてこの”成果”は残念ながらエスパニョールとエイバル相手の悲惨なプレーの影に隠れて今の所語られておらず、”事故”のようなグラナダ戦に関しては言うまでもない。

 

理由(6)

”天才”のランプ

バルセローナがレオ・メッシを抱えているように、セルタはイアゴ・アスパスを手にしている。

アスパスの不調は「火の中の栗を拾い上げるのに手間取っている」だけだ。

3年連続サラ賞を受賞した彼が7試合連続で無得点に終わっているという事実は、イプルーアでのPK失敗に代表されるような”事故”に起因するだけだろう。アスパスはここまで本領を発揮できていないが、彼は過去のシーズンで必要な時に必ずその真価を発揮してきた。

セルタの「天才」はまだ覚醒していないが、単純に彼のランプが点灯していないだけに過ぎない。

2シーズン前にも”モアーニャの魔術師”は7試合連続で無得点だったが9試合目でハットトリックを決め、最終的には22ゴールでサラ賞を獲得している。

うなずけるところもあれば、疑問符がつくものもあり、という感じです。

(1)、(3)、(5)に関しては僕も概ね同意なのですが、(2)の連動性はこの数試合あまり発揮できていないように見えますし、だからこその得点不足ではないかとも思えます。

(4)の守備の改善に関しては多少の改善は見られるものの、目に見えて失点が減っているかというとそうでもなく、たしかにアトレティコ戦などでは明らかによく守って引き分けたという内容ではあったものの、あのハイペースで毎試合守備ができるかというとそこには疑問が残ります。

(6)のアスパスに関しては確かにこれまではそうだったかもしれませんが今シーズンも同じだとは誰にも断言できず、期待はしたいところですがいつまでも待っているわけにはいきません。

一方でMARCAの記事はアスパスとミナの役割に関してフラン・エスクリバが手を加えて調整するだろうという予測をしています。

現時点でもアスパスがセルタの攻撃において鍵を握る存在であることは間違いないのですが、これまでと同じやり方で黙ってアスパスが爆発するのを待っていていいのか、という疑問が残ってしまいます。

「鳴くまで待とう時鳥(ホトトギス)」でもいいのですが、それはもっと余裕のある時に考えるべきであり、今は「鳴かせてみせよう時鳥」が必要な時期ではないでしょうか。

ファンはセルタを信じていますし、サポートも応援もやめませんが、とにかく僕達ファンが期待するのは「得点を取ること」と「バライードスで勝利すること」、この2つです。

不調の続くチームにフラン・エスクリバがどのように手を加えてくるのか、あるいはこないのか。

そしてフラン・エスクリバの未来はこの先もバライードスにあるのかどうか。

もしかしたらそれらの答えが今週末に明らかになるのかもしれません。

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